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受動喫煙防止対策 宗教界の取り組みは…(2/5ページ)

2017年2月15日付 中外日報(深層ワイド)

受動喫煙の危険性防止することは努力義務

国内では2003年に、健康増進法(受動喫煙防止法)で受動喫煙を防止することが努力義務となった。神奈川県や兵庫県では罰則付きの条例を定めているが、国際的に見れば日本の取り組みは遅れている。世界では公共施設の屋内を全面禁煙とする国が49カ国あり、日本の受動喫煙対策は「最低レベル」(世界保健機関WHO)といわれている。

厚生労働省は昨年5月に受動喫煙による年間死亡者数を1万5千人と推計し、国立がん研究センター(東京都中央区)は昨年8月、受動喫煙が日本人の肺がんのリスクを1・3倍にするとの研究結果を発表。

さらに同時期に厚生労働省がまとめた「たばこ白書」では、受動喫煙と糖尿病や脳卒中、心筋梗塞の因果関係は「確実」とし、「喫煙室を設けることなく、屋内を100%禁煙とすることを目指すべきだ」と提言する。

積極的な宗派も天台宗務庁は全面禁煙に

天台宗は6年ほど前、宗務庁を全面禁煙とした。それ以前は空気清浄機をレンタルしていたが、煙が漏れていた。当時の総務部長で、禁煙を推進した杜多道雄・大泉寺住職(72)は「吸わない人から迷惑だとの声があった。年末の大掃除の際、壁を拭くとヤニがべったりと付いていた。思い切って禁煙にして良かったと思う」と言う。

現在は分煙室を設置している。杜多住職は「吸いたい人もいるので、しっかりと分煙されていればいいと思うが、受動喫煙が問題視される時代。喫煙者はフィルター越しに煙を吸うが、周りにいる人はフィルターなしで受動喫煙してしまう」と分煙の徹底を求める。

仏教界で熱心に受動喫煙対策を行っている宗派は少ないが、文化財を守る観点から境内を全面禁煙にした寺院もある。浄土真宗本願寺派本山本願寺(京都市下京区)は御影堂や阿弥陀堂が2014年に国宝となったことから、昨秋の伝灯奉告法要までに境内をほぼ全面禁煙にした。

同派は十数年前から分煙に取り組み、また15年には仏教と医療の協働を目指し「西本願寺 医師の会」を発足させ、受動喫煙についての勉強会を開くなどしており、禁煙への環境が整いつつあった。

東京都中央区の同派築地本願寺も本堂が重要文化財になったことから、一昨年から建物内が全面禁煙になっている。