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受動喫煙防止対策 宗教界の取り組みは…(4/5ページ)

2017年2月15日付 中外日報(深層ワイド)

地域の理解得た祭子どもの健康考えて決断

一切たばこがなく、子どもたちも安心して参加できる息神社の秋大祭

浜松市西区の息神社(加茂嘉胤宮司)は2008年、境内を全面禁煙にした。「祭りでたばこや酒を覚える未成年者が多い」と指摘する識者がいるように、非日常の場である祭りでは酒やたばこが許容される傾向にある。息神社は毎年10月に「大太鼓祭り」を開催するが、加茂守啓禰宜(33)は「以前はひどかった。たばこを吸いながら太鼓をたたいたり、歩きたばこをしたり」と語る。伊弉諾尊の息から生まれたとされる志那都比古神と志那都比売神を祀る同神社は、人の吐く息で聖域をけがしてはいけないと全面禁煙を決めた。

子どもが多い地域で、母親たちが祭りに参加する子どもの安全を考えて禁止を訴えていた。当初、父親たちは難色を示したが、自治会の役員の多くがたばこを吸わないこともあり完全禁煙に協力的だった。子どもたちがますます参加するにぎやかな祭りになり、現在は出店や屋台なども全て禁煙だ。青森のねぶた祭りの観客席などでも08年から禁煙になるなど、徐々に祭りの禁煙化が進んでいる。

全面禁煙の商店街嗜好品ではなく毒物だから当然

地蔵通り商店街の客にも目に付く高岩寺の禁煙のぼり。煙草を「とげ」と読ませている
地蔵通り商店街の客にも目に付く高岩寺の禁煙のぼり。煙草を「とげ」と読ませている

年間800万人の参拝者がある東京・巣鴨の曹洞宗高岩寺(巣鴨とげぬき地蔵)と門前通りである地蔵通り商店街は全面禁煙だ。

循環器内科医の来馬明規住職は「受動喫煙を防止するとか分煙すれば良いという議論ではない。たばこは嗜好品ではなく、覚せい剤のような毒物。売る側に真実を隠されて吸わされている。人々の健康や幸せを願う施設では、全面禁煙が当然だ」と主張する。

受動喫煙は心臓発作などを引き起こす一因とされており、来馬住職は「(それは)世界的な定説」と断言。「命の大切さを説く宗教者が喫煙を個人の嗜好の問題にするのは認識が甘過ぎる」と憤り、たばこのない世界の実現を願っている。