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ご縁づくり挑む本願寺派の僧侶 伝灯奉告法要機に変革へ(1/3ページ)

2017年3月29日付 中外日報(深層ワイド)

浄土真宗本願寺派が、第25代大谷光淳門主(39)の法統継承を機に策定した10カ年の宗門総合振興計画は、今年6月で始動から2年が経過する。推進事項の首都圏開教や、僧侶育成体系プロジェクト委員会が昨年答申した「10年、20年後の日本社会で求められる僧侶像・寺院像」に基づいて、これからの時代に必要とされる寺院・僧侶の在り方を模索している。少子高齢化、過疎化など社会環境の変化で「僧侶も寺院も選ばれる時代」になるとされる中で、本願寺派の生き残りを懸けた挑戦の行方を探る。(青山智耶)

本山お茶所で法話「1%の衝撃」受け止め 布教使「教え伝える好機」



伝灯奉告法要のお茶所布教では3人の布教使がリレーで法話する
伝灯奉告法要のお茶所布教では3人の布教使がリレーで法話する

宗派は昨年営まれた伝灯奉告法要の第2期(8日間)、第3期(同)の法要期間中の15日間に、10代から80代までの僧侶、坊守、門徒や一般参拝者ら418人にアンケート調査を実施した。結果、92%が法要に「心を打たれた」と回答した。

「どの内容に心を打たれたか」との質問には、「伝灯のつどいの(大谷家への)インタビュー」との回答が29%と最も多く、次いで「おつとめ」が27%、「(法要中の)音楽」が20%。

しかし、本紙で取り上げたように、伝道教団である同派の生命線といえる「法話」はわずか1%。「法話はどうだったか」と法話のみに限定した質問では、否定的な意見が30%に上った。

先に開かれた第312回定期宗会で、石上智康総長は「法話1%」について「深刻な現実を真摯に受け止め、全ての宗門関係者が責任の一端を担う自覚と覚悟が求められている」と危機感を表し、伝道力再生が喫緊の課題との認識を示した。

3月7日、伝灯奉告法要の後期が始まった。浅野執持・万福寺副住職(45)=愛媛県今治市=は、他の布教使二人と本山本願寺のお茶所で布教リレーに立った。

法話に関する本紙の報道はフェイスブックを通して知り、「1%」の事実を「しっかりと受け止めなければならないこと」と、表情を引き締めた。

法話を聞きに来る人や、休憩に訪れる人など様々な人たちが出入りするお茶所で、1人15分の法話を行った。

浅野氏は「(お茶所での法話は環境的に)難しい半面、法話に関心のない人に聴いてもらえるチャンス。若い布教使らと共にリレーをするから、互いに刺激をもらえる場でもある」との思いで人々の前に立った。

法話では「本日は伝灯奉告法要。皆さまがみ教えを頂き、それをさらに伝えていくご縁であります」と訴えた。普段法話を聞き慣れていない人にも分かるよう、分かりやすい言葉を選びながら布教したが、耳を傾ける人の姿は少なかった。

伝道力再生は一日にしてならず。「1%」の壁を越える若手布教使の挑戦は始まったばかりだ。