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ご縁づくり挑む本願寺派の僧侶 伝灯奉告法要機に変革へ(3/3ページ)

2017年3月29日付 中外日報(深層ワイド)

地方教区の研修会「20年後の寺院像」語る 門徒総代に答申書解説

僧侶育成体系プロジェクト委員会がまとめた答申書は、政治・経済・環境など様々な視点から10年、20年後の日本社会を予想し、そこで求められる僧侶・寺院像を展望している。

宗教法人の税制改革、核家族化や過疎化、都市過密化などの環境変化で、檀家数の減少や過疎地寺院の無住化、礼拝生活の衰退による仏壇の減少など、様々な寺院の衰退要因が現れてくると危惧している。

それらの要因を踏まえた各種研修会のカリキュラムの検討や、過疎地寺院を支援するため過疎対応支援員を配置するなど、宗門総合振興計画の各事業と連携して新たな人材の育成計画が進められつつある。

今年2月、山陰教区因幡組の門徒総代研修会で、組長の山名立洋・養源寺住職(67)=鳥取市=は、答申書の内容を基に「20年後の寺院像」について講演した。

山名住職は、10年、20年後でも「私は何のために生まれてきたのか」「死んだらどうなるのか」などの問いは決して解決していないだろうとし、それこそが仏教が必要とされるゆえんであると力を込めた。

特に答申書の「環境の視点」に、「自然、身体性を伴う宗教体験が求められる趨勢に対して、真宗らしい対応が必要」とあることに注目。浄土真宗の特徴を門信徒そろっての聴聞にあるとし、一般向けの法座体験会など、どこの寺院でも気軽にできる仕組みが必要と話した。

そして、自坊で門徒以外の人でも気軽に参加できる「寺子屋コンサート」などを開いていることを紹介し、「今までのお寺のイメージである葬儀や法事は非日常的であり、それだけでは寺院に足を運ぶ機会は数年に1回程度しかなく、お寺を身近に感じることはもちろん、いつまでたっても寺院の敷居が高いまま」と指摘した。

講演は好評で、初めて答申書の内容を知った住職や門徒総代からは「よく分かった」との声もあった。

ただ自らが置かれている現状の認識は不十分で、参加者からは「危機感」のようなものを感じ取ることはできなかったという。

「今後の宗門の行方を住職だけでなく、寺族や門徒にも伝え、理解してもらう必要がある」という山名住職は、組長としてこれからも「開かれたお寺」とはどういうものかについて説明をしていく。