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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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1、子どもに笑顔を 未来への希望教育を支援

シャンティ国際ボランティア会会長若林恭英

2017.03.17~2017.04.07

  • 1、子どもに笑顔を 未来への希望教育を支援
  • 3、ミャンマーの教育 地域の「寺子屋」が支えに
  • 2、教育の必要性 貧困地区訪れるたび痛感
  • 4、上座部仏教と交流 日本仏教の在り方を再考

アジアの教育の機会に恵まれない子どもたちに、そのチャンスを広げるための活動をする仏教系NGOが「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」。その理念は「共に生き、共に学ぶ」で、図書館活動を中心に、子どもたちの教育環境改善に関するあらゆる活動を、それぞれの地域文化を尊重し、地域協力のもと行っている。

ただ、教育分野の支援は、その効果が現れるまで非常に長い年月を要するもの。そうした歳月を、理念に共感してくださる日本の企業や団体・個人といった支援者に支えられて、お陰さまで昨年は、設立35周年という節目を迎えることができた。

そもそもSVAが設立された由縁は、曹洞宗門が立ち上げた「曹洞宗東南アジア難民救済会議」(JSRC)にその元がある。1979年当時、カンボジアでは、ポル・ポト政権崩壊とともにタイに逃れてきた多くのカンボジア難民の死線をさまよう惨状が世界に大きく報じられていた。この現状を座視していてよいのか、同じアジアの仏教徒に対して日本の仏教徒が傍観することは許されないだろう、という機運が宗門を動かし、JSRC設立に至った。しかし、海外での救援活動の経験というものがほとんどなかった当時、正に暗中模索で現地に飛び込んでいったと言えよう。先達の話によると、難民キャンプ内は、絵巻物の餓鬼草紙のようだったという。

とにかく現場でできることは何か、その時の思いをSVAの先達だった故有馬実成師はこう語っている。「……絶望のどん底にあえぐ人たちに、笑顔を取り戻してやることはできないものでしょうか。子どもは、未来への希望の象徴なのです。もし子どもたちが、この難民キャンプで元気に遊び元気な歌声を響かせるようになれば大人たちも明るい表情を回復するに違いありません。今ここで必要な援助は、食糧と医薬品なのです。けれども、それを調達する力は私たちにありません。人々が少しずつ健康を回復したときに必ず必要となってくる精神的な援助を行えるように、私たちは今からそれに取りかかろうと、そう思ったのです」と。