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1、絆深い朝鮮半島 ミサイル危機は過剰反応

「宗教者九条の和」呼びかけ人小野文珖

2017.05.19~2017.06.09

  • 1、絆深い朝鮮半島 ミサイル危機は過剰反応
  • 3、北東アジア非核化へ 日本「核の傘」依存やめよ
  • 2、「追悼碑裁判」の行方 憲法基づく公正な判決を
  • 4、1300年の深き縁 朝鮮危機回避日本主導で

筆者の住んでいる群馬県は、古代上野国と呼ばれ、その西部地方は、当時の東日本の中心、先進文明地域であった。今でいう国際都市と考えても突飛ではない。

日本の正史である『続日本紀』和銅4(711)年3月の条に、「上野国甘良郡・緑野郡・片岡郡の六郷を割いて、別に多胡郡を置く」との記述がある。甘良とは韓のこと、現在世界遺産に登録されている富岡製糸場(富岡市)と絹産業遺産群の地域である。緑野郡とは、後に伝教大師最澄が、弘仁8(817)年巡錫し、六処宝塔の一つを建立した緑野教寺(藤岡市)の地域である。初期比叡山の経済的・人的基盤となった大和政権の直轄地である。片岡郡とは、本年ユネスコの世界記憶遺産に登録が予定されている「上野三碑」(高崎市)のある地域である。古代東国仏教社会の発展が刻まれている。

朝鮮半島からの渡来人が増え、大陸の東北出身の胡人を主にして新しい郡、多胡郡(吉井町)を作ったとの歴史である。奈良・平安時代に窯業や布生産の一大手工業地帯に成長する。

残された資料からでも、この地域が多民族共生社会であったことがわかり、特に朝鮮半島との絆は深い。上野国一の宮の貫前神社(富岡市)は朝鮮半島の養蚕機織の女神―姫大神を祭神として、渡来人によって建てられた。創建は安閑天皇元(531)年とされている。焼失した三重塔の本尊は、伝教大師の東国巡教に付き随い灌頂を受けた慈覚大師円仁であった。円仁は下野の出身で、東国の渡来人仏教界の後援を得て第三代天台座主になった人である。朝鮮半島と日本仏教界との交流も緊密、深厚であった。

なのに今、朝鮮半島では米国と北朝鮮の軍事的緊張が高まる。日本政府やマスコミは北朝鮮のミサイル攻撃の危機を訴える。意図的な過剰反応ではないか。危機を煽り世論を誘導しているのではないか。挑発に挑発で応じて危険なゲームを試しているのではないか。

筆者の所属する「宗教者九条の和」では、8日、首相官邸前で「朝鮮半島に平和を!市民・宗教者緊急集会」を開いた。平和的な解決を祈って。