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1、感動の共有 生き方そのものが仏教

臨済宗妙心寺派霊雲寺住職 元花園会本部長林学道氏

2017.10.13~2017.11.03

  • 1、感動の共有 生き方そのものが仏教
  • 3、万物の霊長 人類は何を選択すべきか
  • 2、新宗教教団に学ぶ 檀家に乏しい信者の自覚
  • 4、心性に対応 霊の問題は積極的に話す

気候の変動が激しく、地球の温暖化が問題になってすでに長い歳月がたっている。山と緑に囲まれた丹波の地も例外ではない。

私の子供の頃には、夏休みに入って2~3日も過ぎた頃、決まって蝉の初鳴きを聞いた。チーチージーとニイニイゼミが、そして後を追うようにアブラゼミの声、夕刻や朝には、ヒグラシの声が山で響いていた。8月の気温の上がった日には、高い木の上のシャーシャーと鳴くクマゼミの声に暑さがヒートアップした。そうこうしているうちにお盆を迎え、のどかなミンミンゼミの声にゆく夏を惜しみ、ツクツクホウシの声に秋の気配を感じたものだ。「夏休みの友」に毎日記録した気温は27~28度で、30度を超すのは1~2日くらいしか無かったことを憶えている。しかし今は、連日のように30度を超す日が続く状態だ。夏休みを待たず、登場の順序も無視して、いきなりクマゼミの声で始まる夏が続いている。

9月に入り、穫り入れも終わろうとする頃、いつものように早朝、犬を連れて散歩をしていると、檀家のAさんが話しかけて来た。「和っさん、ヒガンバナは不思議な花ですね」と。Aさんの言わんとするところは、ヒガンバナは暑かろうが寒かろうが、お彼岸に姿を現し、花をつけることの不思議さだ。田の畦を歩いていても、姿や形も皆無であるにもかかわらず、お彼岸が近づくと地中からムクムク顔を出し、一日に5~6センチ位は伸びていることもある。地中の温度がグンと下がり、秋の気配を感じる頃が、発芽開花のサインなのかも知れない。Aさんは「毎年こうしてお彼岸に咲くのが……」と。私は一緒に真っ赤に開花したヒガンバナを眺めながら、唐代の劉延之の詩の一節「年々歳々花相似、歳々年々人不同」のお話をした。

私は住職と檀信徒の皆さんとの関係は、法事法要は元より、日頃の交流が大切と思っている。機会があれば努めて話し、感動を共有することが心の交流につながるだろう。四摂事の実践は、寺院を活性化させるというよりも僧侶の生き方そのものであり、その姿が仏教であり、教えを敷衍する上での必須事項である。