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1、サラリーマンから住職へ 経験生かし生まれた目標

浄土宗系単立五百羅漢寺住職佐山拓郎

2018.05.25~2018.06.15

  • 1、サラリーマンから住職へ 経験生かし生まれた目標
  • 3、「布教の最前線」で 様々な企画向かい風も
  • 2、仏教はお釈迦様の哲学 悩める人に智慧伝えたい
  • 4、野球や漫画を題材に 平易に楽しく教え伝える

私は、東京下町の小さな浄土宗寺院に生まれました。僧籍取得後、10年間のサラリーマン生活を経て、転職という形で五百羅漢寺に入山。数年後に住職となって、今に至ります。

こんなことを言うと怒られてしまうのですが、サラリーマン経験を積んでからの僧侶としての生活は、とても緩やかなものでした。予定通りに休みがとれないなど、大変なこともありましたが、営業ノルマに追われることもなく、徹夜で残業しなければならない状況もないのです。転職してしばらくの間は、その緩やかな流れの中で、目の前の仕事をこなす毎日を続けていました。

サラリーマン時代の疲れが癒えてきた頃、なんとなく、お寺の現状が見えてくるようになりました。

五百羅漢寺は、檀信徒の数も多く、文化財である羅漢像の拝観者もいるため、まだ恵まれていましたが、それでも「お寺離れ」の波は近づいてきていました。檀信徒の仏事だけで、ある程度の仕事量に達してしまうため、次代の檀信徒へのアプローチや、拝観者増への試みが足りていなかったのです。

法要件数や、写経などの行事への参加者が、徐々に減り始めてきました。「目の前の仕事をこなして現状を維持しよう」という思いが、いつしか「決まったことだけをしていれば現状は維持できる」となり、それが、檀信徒からの信頼や、お寺の魅力を失うことにつながっていったのです。

このような状況の中で、私は五百羅漢寺の住職を継ぐことになりました。

どうにかしてこの流れを止めたいと考え、最初にやったことは、インターネットで「若手僧侶」と検索したことでした。ネット上では、私(42)と同年代や、さらに若い世代の僧侶たちが、宗派の垣根を越え、自分たちにしかできない活動を行っていました。

それに触発された私も「自分にできることはなんだろう」と考え、その結果、サラリーマン時代の経験や、自分の好きなことを生かし、「なじみのない人たちに仏教を分かりやすく伝えたい」という目標が生まれたのです。それは、大きな第一歩でした。