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1、ロシア、ウクライナ進駐 内戦でなく明らかに戦争

日本ウクライナ文化交流協会会長小野元裕

2018.11.09~2018.12.07

  • 1、ロシア、ウクライナ進駐 内戦でなく明らかに戦争
  • 3、東部・西部・クリミア半島 複雑ウクライナ宗教地図
  • 2、ウクライナ宗教界 溝深まる露正教と独立系
  • 4、ウクライナ正教会 高まる関心人々の拠り所

2014年、マイダン革命がウクライナで起こった。西欧入りを望む国民の強い意志の表れだった。マイダンとは首都キエフ中心部の独立広場の名で、ここに国民が集結し、親露派政権を崩壊させた。しかしロシアがクリミア半島に進駐。核配備もちらつかせて3月18日に編入を宣言。4年たった今も死者1万人を超える激戦が続く。対立は深刻化し、影響は宗教界にも強く及んでいる。

私はドストエフスキーに興味を持ち、天理大で露文学を学んだが、彼の祖父はウクライナ人であり、露の歴史と文化のルーツも同国にあると知った。05年出版社を辞め1年間キエフに渡航。交流協会を滞在中に立ち上げた。日本でウクライナの専門家は少なく、ロシア視点での報道が多く、同国の惨状を正しく伝えていないことを残念に思う。

まず革命に至る経緯を紹介する。1991年のソ連崩壊で成立したウクライナはEU加盟を目指した。70年間の支配でモスクワへの嫌悪が広がり、楽園でなくても西欧の方がましだと考えた。2004年のオレンジ革命で民主化を実現。ユーシェンコ大統領はEUに接近したが、露はこの動きに反発。露にとっては西欧諸国との防壁になっているウクライナが西欧圏になれば、経済的にも軍事的にも都合が悪い。そこで露は様々に圧力をかけた。中でもガス料金の引き上げは最たるものだ。パイプラインで同国にガスを売る露は料金を上げると言って、たびたび揺さぶった。

結局、ユーシェンコ氏は力尽き、10年にプーチン露大統領と親密なヤヌコーヴィチ大統領が誕生。ついに13年11月、EUとの協定を白紙にした。これに若者たちが抗議して立ち上がり革命に発展。翌年2月に政権を崩壊させた。

露のクリミア占領は、革命に対する報復だった。さらに東ウクライナにも侵攻し、宣戦布告なき戦争が始まった。日本のマスコミは「内戦」と書くが明らかに「戦争」だ。内戦は国内において国民同士で戦うもの。ウクライナ人とロシア人は同根だが、現在は別の国民だ。別の国民同士が戦うのは内戦ではなく、戦争と言わなければならない。