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『修験道と児島五流 その背景と研究』宮家準著・岩田書院刊

修験道と児島五流 その背景と研究

著者によれば山岳信仰の歴史は縄文人の宗教生活に萌芽が見られるという。島国の日本は、人々の生活の営みが山や海と共にあり、自然と一体になった信仰を育てた。人々は山や海上の島などを神霊の居所、霊魂の原郷として畏れ、忌み、神霊の力を得た修行者の力を崇めた。そこに成立したのが修験道である。

修験の家に生まれ、民俗宗教や修験道研究の第一人者として名を成す著者は、瀬戸内海の児島を拠点に活動する海の修験「児島五流」の修験寺院、五流尊瀧院の37代住職となり、同寺を総本山とする宗教法人修験道の管長・法首に就任した。これを機に、これまでの研究を回顧し、修験道の歴史や思想、民俗宗教と修験道の諸相を紹介したのが本書。

修験道とは何か、児島五流の伝承と歴史、民俗宗教における修験の位置付けなどの基本的なテーマから、新聞や雑誌に発表したエッセー・小文なども含め、半世紀余にわたる著者の研究成果を概観する趣がある。

日本人の宗教を全体的に把握するには民俗宗教に目を向けるべきだと著者は言う。宗教を「送り手側」からではなく、諸宗教に通底する「聖なるものへの畏敬の念」として解明しようとするもので、その中核に修験道研究が位置付けられる。

定価4935円、岩田書院(電話03・3326・3757)刊。