ニュース画像
笏を宗道氏(左)に手渡す宗晴氏
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版

『禅の思想を知る事典』竹村牧男著・東京堂出版刊

禅の思想を知る事典

禅はインドで生まれた仏教が中国の風土の中で独自に育まれた仏教形態である。その教えと修行方法は、そのまま日本へ将来され、さらに欧米へと伝播し新たな展開を見せている。

ひと口に禅と言っても単一的に捉えられるものではなく、歴史的、地域的な流れの中で多様な発展を遂げ、社会思想や芸術・文化など幅広い分野に多大な影響を与えるものとなっている。

本書は禅に関わるさまざまな側面を専門的な深みから広く概観した「読む事典」ともいうべきもので、「禅とはなにか」の由来から歴史的・思想的な展開をたどり、「禅とことば」「禅の文献」「修行の風景」、さらに現代における禅の受容、禅の国際化、日常の生活や精神活動に深く関わる禅文化に論及している。

仏教学者であり、また参禅経験を持つ居士(在家の参禅者)でもある著者の禅理解が随所に示されているのも本書の特長と言ってよい。

禅が説く「自他不二」の空思想を解説する文中で、著者は「はたして、今後、禅の中から、病に苦しむ人々や貧しい人々の救済に一身を捧げたマザー・テレサのような宗教者が出るであろうか。今、自他不二の覚りが禅に問われている」と問い掛けている。

定価2940円、東京堂出版(電話03・3233・3741)刊。