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第16回「涙骨賞」を募集 中外日報宗教文化講座

皆の声を聞く姿勢で

天台真盛宗宗務総長 前阪良憲さん(78)

ひと2019年6月28日 11時17分
皆の声を聞く姿勢で

約400カ寺を擁する天台真盛宗の宗務総長に5月に就任。早速臨んだ6月宗議会では、前内局から引き継いだ駐車場拡張計画の議案に対し末寺の負担増を懸念する議員が反発を示したが、持ち前の粘り強さを発揮して乗り切った。

1966年から半世紀近く総本山西教寺に奉職。忘れられないのは6万冊もの蔵書を保管する文庫の建設計画に財務担当として関わったこと。宗議会の反対に遭い一度は頓挫するも諦めずに取り組み、99年に完成にこぎ着けた。83年からは大津市議会議員を4期16年務めるなど豊富な経験に周囲の期待も大きい。

ここ10年は数々の病気やけがに見舞われた。2007年に急性心筋梗塞で倒れ、一命を取り留めるも甲状腺にがんが見つかり、1年間声が出ない生活を余儀なくされた。声を取り戻そうともがくうちに今度は視力が失われたが、手術を受け回復した。

参道で転倒し骨折したため正座ができなくなったが、13年に初孫が生まれ「この子が10歳になって得度するまで元気でいたい」と懸命に拝むと、奇跡的に完治。「仏神は決して我々を見放しはしない」との言葉には実感がこもる。

総長として第一に掲げる重点施策は疲弊する地方寺院への対応だ。「まず宗門の正確な実態を把握する必要がある。定年退職した人に僧侶として寺を守ってもらえるような制度も考えたい」

来年は同寺ゆかりの明智光秀が主人公のNHK大河ドラマ放映、21年は不断念仏相続十九萬日大法会が控える。「初めから我を出さず、まずは皆の声を聞く姿勢を心掛けたい」

(岩本浩太郎)

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