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伝統格式と自然を守る

真言宗大覚寺派管長・大本山大覚寺門跡 尾池泰道さん(79)

ひと2019年9月11日 14時14分
伝統格式と自然を守る

大覚寺派としては1977年の乃村龍澄門跡以来、42年ぶりに弘法大師の生まれ里(四国第一教区)から選出された門跡となる。自身も香川生まれの香川育ち。自坊の延命寺では、一代でほぼ伽藍全域にわたり整備し直すなど事業家的な顔がある一方、教化者としては檀信徒の心経写経会を数十年もの間運営し続けるなど堅実だ。

大覚寺で修行していた58年に、勅封般若心経開封法会で導師の草繋全冝門跡の従弟子を務めた。当時はその意義を深く認識していなかったが、「あれはそんなに大切な大法会であったのか」と後になって気付いた。60年後、2018年の戊戌歳の勅封心経開封法会に巡り合い、「令和」の改元と共に新門跡に推戴された。感慨ひとしおという。

嵯峨天皇の離宮に始まる大覚寺は、「心経と花の寺」とも称される。嵯峨野の自然を愛した嵯峨天皇の大御心を現代に伝え、自然のいのちを生け表すことを精神とする華道流派の一つ、嵯峨御流の総司所でもある。

新総裁となった尾池門跡は「日本人の生活様式が変化してしまい、日本の伝統的な習い事の世界は厳しいものがあるが、決して疎かにしたり絶えさせたりしてはならない」と強調する。自ら庭木の手入れや富貴蘭の栽培などを趣味とし、華道に託す思いは深い。

「嵯峨天皇をはじめとする5人の天皇の勅封般若心経を奉安し守り続けてきた門跡寺院としての伝統格式を守っていくとともに、心経写経の根本道場として、これからも広く写経を通じて人々に弘法大師の御教えを伝えていきたい」と誓う。

(河合清治)

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