「全力に悔いなし」胸に
WCRP日本委員会 篠原祥哲事務局長(48)

1月、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会の事務局長に就任した。WCRP設立50周年の節目の年に当たり「この50年で議論を尽くし、目標は明確。多くの人を巻き込みつつ、覚悟を持って具体的な実践へと動きだしたい」と熱く思いを語る。
信仰3代目の立正佼成会会員。誕生日の10月4日は庭野日敬開祖の入寂の日でもある。その当時、北アイルランドで紛争解決プログラムに従事しており、遠く離れた異国にあって背中を強く押されたような気がした。
下町育ちのサッカー少年だった。高校サッカーの強豪校に進学するものの周囲との実力差にがくぜん。それでも腐らずに努力し、3年生の夏にレギュラーを獲得した。その経験を基に胸に刻んだのは「全力に悔いなし」という言葉だ。「自分の今の能力よりも圧倒的に高いところに挑戦し、達成したときの喜びは何物にも代え難い」と振り返る。そのモットーは今も変わらない。
2005年からWCRP日本委員会で勤務し、軍縮を呼び掛ける世界的な署名運動「アームズ・ダウンキャンペーン」に取り組んだ。東日本大震災の被災地でがれきだらけになった町並みを前にぼうぜんとしたこともある。しかしその時「で、篠原はどうする?」という「神仏の声」が聞こえてきたという。この現実から逃げてはいけないと一念発起。仙台事務所を立ち上げ、支援の現場に飛び込み汗を流した。
国際社会では、気候変動や核兵器など切迫した問題が山積する。「早急なアクションが求められており、それがWCRPの役割」と断言する。
(佐藤慎太郎)