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言語が持つ可能性に挑戦する詩人 吉増剛造さん(80)

ほっとインタビュー2019年5月21日 10時05分
言語が持つ可能性に挑戦する詩人 吉増剛造さん (相澤實氏撮影) よします・ごうぞうさん=1939年、東京生まれ。詩人。慶応義塾大卒。映像、音楽と詩をコラボレーションさせるなど詩、言語の可能性を追求し、日本の現代詩をリードしてきた。主な詩集に『黄金詩篇』『オシリス、石ノ神』『怪物君』など多数。2015年、日本藝術院賞・恩賜賞。

1964年に第一詩集『出発』(新芸術社)を上梓して以来、常に現代詩の最前線を切り開いてきた。その活動は映像や写真の撮影、詩の朗読“パフォーマンス”など、従来の枠組みにとらわれない。生き方そのものが詩だ。

親鸞や道元、ミシェル・フーコーら古今東西の思想家、哲学者に精通し、独特な言語感覚で詩を紡ぐ。東日本大震災後に思想家・吉本隆明氏の作品の筆写を始めた。それは恩義ある吉本氏を追悼する喪の行為でもあった。

赤坂史人

主演をされた映画「幻を見るひと」(2018年11月公開)は、東日本大震災の影響が色濃く見られます。

吉増 企画されたのが震災直後のことだったので、その時代の空気と、あれだけの大事件でしたから、津波と福島第1原発の大災厄を踏まえなくてはいけないと。だから震災のシーンから始まります。大震災でたくさんの方が亡くなったばかりでなく、途方もない思いをなさった方も多い。その思いに対して、ほとんど皆さん言葉がないわけですよね。それを表現するためにはどうすればいいか、皆さん手探りなんだ。だから死についてもそうですし、大変なことが起こったときにそれをどんなふうにして表現に変えるかというのは大変なこと。

死を表現するとは。

吉増 ちょうど大震災から1年たった時、思想家の吉本隆明さんが亡くなられた。吉本さんに計り知れない勉強をさせてもらい、ご恩もあったので、その死を契機に、吉本さんが若い時に書かれた540編の『日時計篇』という詩編を筆写しだした。最初はとても苦痛でしたが。筆写するという習慣はもう我々の習慣からなくなっていますからね。それを逐一小さい字で書き写していく。それが恩義のある死者への一種の喪の行為だった。

死を語るときに、どこか気が付かないところで悼む心が非常に深く働いていて。肉親の場合もそうです。僕も一昨年暮れに96歳で母親を亡くし、その時は誰でもそうでしょうが、感情をちゃんと整理できない。詩にも時々変なふうにして出てくるんです。変なところから。

筆写とはどのようにするのですか。

吉増 平仮名漢字交じりを、片仮名にして書き写します。もちろん難しい哲学者ですから、分からないことも多いわけです。でもね、書いていくうちに手が動いていって、習慣を変えていくことになり、書き方が変わってくるの。書き方が変わってくると、読み方も変わってくる。読みながら書いているわけ…

つづきは2019年5月15日号をご覧ください

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