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「帰って来たヨッパライ」を歌った精神科医 きたやまおさむさん(72)

ほっとインタビュー2019年6月21日 09時29分
「帰って来たヨッパライ」を歌った精神科医 きたやまおさむさん きたやま・おさむ氏=1946年、兵庫県生まれ。精神科医、精神分析家、ミュージシャン。現在は「ちょうど良いかげんなコンサート」と題した音楽会をプロデュース。8月には杉田二郎氏と共に、2日に大阪市北区のザ・シンフォニーホールで、9日に東京都中野区のなかのZERO大ホールで開催する。

音楽グループ「ザ・フォーク・クルセダーズ」として「帰って来たヨッパライ」でデビュー。「あの素晴しい愛をもう一度」などの作詞を手掛けた。1年のプロ活動の後に精神科医となり、臨床活動の傍ら、日本の神話や昔話を基にした精神分析を行ってきた。

自らの不幸や死の恐怖と向き合い、「天国は誰にでも優しい世界なのか」との問いを歌に込めた。腐敗した体で黄泉の国にとどまるイザナミから「人は大地に返り循環するのだ」と救いを見いだす。

甲田貴之

神話から日本人のどのような精神が分析できるのでしょうか。

きたやま 人間には良い面もあれば悪い面もある。その悪い面、つまり人の不幸を取り扱うことを仕事としている私たち精神科医は不幸を取り扱うことに慣れていなければいけない。それは自分の不幸についても同じ。人に「不幸と向き合わないといけない」と言うのは簡単だけど、自分はどうなのかが常に問われているんだと思います。

日本神話は自分自身がどのように不幸と向き合うのかを考える上で、ものすごく役に立つ。特にイザナギとイザナミによる国生み神話。

イザナギという男の神様は、豊かで美しくて立派だったイザナミが傷つき、今にも死にそうだということを受け止められなかった。イザナミに会おうと黄泉の国に行ったものの、腐敗した姿を正視できず逃げ帰ってきて禊ぎを行うんですね。

僕は、日本人は昔から穢れを水に流して処理していたと思うんだよ。汚いものが水に流れ、大地に返り、再び私たちに還元される。その循環がうまく回っていた。

悪いものを良いものにする。良いものが悪いものになる。その両方をうまく扱えるのが、日本人の生きる秘訣みたいなところがある。

昔は列車も時間に正確ではなかったと思うし、賞味期限だってみんないいかげんに考えていたよ。今はちょっとでも手を抜くと事故が起きるし、事件になる。

現代は「良いかげん」には生きられない、ほっとした気持ちになれない社会になっている。悪い意味でのいいかげんが許されないから、良い意味での「良いかげん」だって失われてしまう。

「ちょうど良いかげんなコンサート」と題した音楽会をプロデュースされていますね。

きたやま 「良いかげん」というのはぬるま湯というか、ゆったりというか、そういう瞬間なんですよ。歌はその「良いかげん」を心に感じさせてくれる。不幸な状況でも歌えば楽になる。

つづきは2019年6月12日号をご覧ください

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