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グリーフケアが当然の社会を目指すリヴオン代表 尾角光美さん(35)

ほっとインタビュー2019年7月22日 13時02分
グリーフケアが当然の社会を目指すリヴオン代表 尾角光美さん おかく・てるみさん=1983年、大阪府生まれ。同志社大卒。病気、災害、自殺、テロ等による遺児への支援活動を経て、2009年にリヴオンを立ち上げ代表に。18年、英国ヨーク大大学院国際比較社会政策修士号取得。

大学入学の直前、母親が自殺した。自らのグリーフ(悲しみ、悲嘆)と向き合いながら、他者のグリーフについても考えを巡らせてきた。グリーフは死別や喪失によって生じるその人なりの自然な反応だ。グリーフケアやサポートが当たり前となり、そこから希望が見いだせるような社会の実現を目指し、リヴオンを設立した。

遺族にとっての「喪の旅の伴走者」として僧侶の存在に期待を寄せつつ、教育・研修など様々な活動に取り組んでいる。

佐藤慎太郎

グリーフケアに取り組むきっかけは。

尾角 大学入学直前だった2003年に母親を自殺で亡くしました。母との死別がやはり原点です。当時はグリーフケアという言葉も知らず、葬儀も火葬だけ。遺児支援を行っているあしなが育英会を通じて、同じように親を亡くした子どもたちとその境遇を分かち合えたことは幸いでした。

06年に自殺対策基本法が施行され、それに伴う自死遺族支援への関心の高まりから、当事者として講演するようになりました。その後、アメリカでの研修プログラムへの参加や様々な遺族の方と出会ううちに、グリーフケアへの学びが自分の中で高まって、あらゆる死別・喪失に対するサポートがこの国には明らかに足りていないと感じるようになりました。時に遺族は孤立し、自分だけがおかしいと感じてしまいます。

グリーフケア・グリーフサポートが当たり前の社会の実現を目指して、リヴオンを立ち上げたのが09年のことです。お寺やお坊さんと協働することも多いですね。

それはなぜ?

尾角 数えてみたら講演会や研修会などを通じてこの10年間で、延べ1万5千人のお坊さんに会ってきたことになります。

もともとグリーフサポートはお寺がやっていたことなのではと考えていましたが、12年に兄を不慮の死によって亡くし、その頃にはグリーフケアを学んだ仲間のお坊さんたちがいて私を支えてくれて、葬儀のプロセスを一つ一つ大事にして弔ってくれました。寺院葬で送れたことも私にとっては大きなことでした。

その時、お坊さんから「お兄さんは苦しんではいない、極楽に行っているよ」と言われましたが、私には到底そうは思えませんでした。繰り返し伝えられて、火葬場から戻って3度目。「もうあなたに届かないかもしれないけれど、私はお兄さんがお浄土に行っていて幸せだと信じています」と告げられて、その時、「本当に極楽はあるんだ」となんだか腑に落ち…

つづきは2019年7月10日号をご覧ください

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