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薬物依存者の回復を支援する木津川ダルク代表 加藤武士さん(53)

ほっとインタビュー2019年8月5日 10時25分
薬物依存者の回復を支援する木津川ダルク代表 加藤武士さん かとう・たけし氏=1965年、京都市生まれ。27歳の時に薬物依存者自身による回復ムーブメントのダルク(ドラッグ・アディクション・リハビリテーション・センター)と出合う。2003年に京都ダルクを、13年に木津川ダルクを設立。三重ダルク理事。龍谷大の矯正保護総合センター・犯罪学研究センターの両嘱託研究員。リカバリー・パレード関西実行委員長。AIDS文化フォーラムin京都運営委員幹事。保護司。

施設の入寮者とミーティングを行い、薬物依存者の回復を支援している。大学の研究員や各種団体の役員を務める傍ら、年間約30回の講演会で自らの薬物体験を語り、薬物を使わなくても豊かに暮らせる地域づくりを呼び掛けている。

かつて過去の薬物体験を隠して働いていた時、殺傷事件のニュースを見た職場の同僚たちが「覚醒剤使用者の犯行だ」と誤った情報で盛り上がった。このままでは、いつまでたっても自分の居場所がないと思い、自らの体験を隠さずダルクで働き始めた。

萩原典吉

去年9月の講演で、薬物依存は自分の意志や根性で治せるものではなく病気なんだと、また薬物依存は人間関係の中で回復するものだとお聞きし、目からうろこが落ちる気がしました。

加藤 ダルクができた1981年頃の社会の受け止めは、薬物依存者なんてどうにもならない人たちという感じでした。でもダルクができて治療も受けずに薬物をやめ続けている人たちが徐々に出て、関係者の意識も変わってきた。

2000年に精神保健福祉法が変わり、それまでは医療の対象外だったアルコール依存症や薬物依存症が精神障害の一つと定義づけられ、大きくいろんなものが変わりだしたと思います。以前は、たとえ病気であっても自己責任だといわれた時期もありますが、今は社会にも問題があったというところまできていると思います。

職場の先輩から誘われて18歳の時に大麻を使うようになったそうですが。

加藤 就職した大学の食堂で調理人の先輩と気が合い、その先輩が薬物を使っている人でした。その頃にはもうお酒も飲んでいましたが、最初はお酒の酔いに比べて、それほど効果を実感しなかった。でも繰り返すうちに気分が変わる感覚を味わい、面白くなって無断欠勤が増え、職場を辞めました。

22歳で彼女に子どもができて結婚し、真面目に仕事をしようと思ったけれど、また薬を使うようになって離婚し、以前よりも頻繁に使うようになった。24歳で精神科病院に入院して生活保護を受け、3年間入退院を繰り返しました。結局快楽のために薬を使うというより、現実から逃避したいとか、心の痛みを紛らわすために使っていました。

薬物はどうやって手に入れたんですか。

加藤 覚醒剤って普通に買えるんです。今からそういう場所に行けば、2時間もしないうちに手に入る。そういう人たちと出会った瞬間から、薬物の扉が開いている。本当に誰もが薬物に近いと…

つづきは2019年7月24日号をご覧ください

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