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親鸞聖人や日蓮聖人を演じた役者 嵐圭史さん(79)

ほっとインタビュー2019年10月7日 09時58分
親鸞聖人や日蓮聖人を演じた役者 嵐圭史さん あらし・けいしさん=1940年、東京都生まれ。劇団前進座の看板役者として活躍し、「子午線の祀り」平知盛役で紀伊國屋演劇賞、「怒る富士」伊奈半左衛門役で文化庁芸術祭賞受賞。朗読でも評価が高く「平家物語」は全巻朗読CDを刊行。

鑑真和上、親鸞聖人、日蓮聖人……。これほど多くの宗祖・高僧を演じてきた役者はほかにいないだろう。昭和の演劇史に新次元を開いた、木下順二作「子午線の祀り」では主役・平知盛を演じた。

「いつ死んでも悔いはない」と言うほど多くの役に扮してきてなお、日蓮聖人遺文の朗読で全国寺院を回り、来年からは「玄朴と長英」で新たな創造活動をと意気込む。芝居を通じて人と出会い、役と出会うことが、人生をワクワクさせ続けている。

有吉英治

一人語り「日蓮さまのお心に聴こう」が好評です。

 日蓮聖人のお手紙を中心に、立正大特別栄誉教授の渡邊寶陽先生に監修していただきました。全部やると2時間半かかるのですが、会場のお寺の都合に合わせて1時間とか1時間半でもやっています。

御遺文ばかり読んでいると聴く側がつらくなってしまうので、「石段物語・二題」として、日蓮聖人が清澄寺で出家される時の母との別れと、身延山久遠寺の菩提梯を造った仁蔵さんの親孝行のエピソードも入れています。これを入れると、全然リズムが違ってきて、聴いてらっしゃる方が楽しそうなんです。お母さんの気持ちになって涙を流してくださったりね。

『立正安国論』は原文だと難し過ぎる。といって文章があまりに素敵なので崩せないんですよ。丁寧に解説していると時間がかかってしまうし。それで、尊敬する劇作家の木下順二先生が現代語訳された『立正安国論』を読むことにしました。古文の骨法を崩さずに、ぎりぎりのところで訳しておられるんです。そしてシェークスピアの戯曲と比較されて、日本文学として立派に受け継がれるべき財産だと書かれている論考のところも(朗読では)読んでいます。

朗読は作り過ぎちゃいけないんです。自分の気持ちと古文の持っている音の響きに限りなく素直じゃないと。以前の日蓮劇の時にはなり切ることを目指しましたけど、今回の朗読では演じていません。

芝居で日蓮聖人を演じられたのはもう40年ほど前。

 その時の最初の日蓮聖人のイメージは鎌倉の辻説法のお姿だったんです。体格も立派だし、エネルギーに満ちているじゃないですか。そういう強い日蓮様のイメージなんですが、当時の私はあんな大きな方を演じられる力量はなかったんです。なんで自分がやることになったのか、役を降ろしてもらおうとまで思いましたよ。

それまでは歌舞伎の世界でいう白塗り、ひょろっとした二枚目系…

つづきは2019年9月25日号をご覧ください

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