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神道の世界を伝える「唄ひ手」 涼恵さん

ほっとインタビュー2020年6月22日 09時26分
神道の世界を伝える「唄ひ手」 涼恵さん すずえさん=ブラジル生まれ。小野八幡神社(神戸市中央区)権禰宜。2007年に米国・ニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを行った。独自の音楽世界は国外でも高い評価を受ける。最新アルバムに「楽園」(ユニバーサルミュージックジャパン)、新刊に随想集『言霊の響き』(神社新報ブックス)がある。

自然やヒトへの感謝など神道の教えを言霊にして歌い上げる。自ら作詞作曲を手掛ける曲は、自分ではない大きなものから頭の中に流れ込んでくるのだという。そうしてできた独特の音楽を、自らが依り代となり「唄ひ手」として世界に伝えている。

人見知りで幼い頃には自分のためだけに歌っていた。それが神職になり、自分の存在の背後にあるものの大きさを知った時、誰かに伝えたいものに変わっていった。音楽活動をする根本には神職としての自分がいる。

甲田貴之

歌うようになったきっかけは。

涼恵 産声を上げた時から歌は私と共にありました。幼い頃、多感でありつつも人と接することは怖く、自分の感情を表に出すことはできず、いつも花や木をめでて過ごしていました。そんな私にとって喜怒哀楽を表現する方法が歌でした。

自分の中で様々な感情が湧き上がっていて、それを言葉で伝えようとすると、伝えきれずに「考え過ぎだよ」なんて言われて遮られてしまっていました。しかし歌であれば、湧き上がる思いをどれだけ歌っても許されるように感じました。自分が生きるために歌っていました。

民族音楽や雅楽、フォルクローレなど歌のないインストゥルメンタルが好きで、幼い頃に歌っていたのも既存の歌謡曲ではなく、自分のオリジナルソングでした。

言葉を発した時のバイブレーションや周波数の変化に引かれ、将来は声を使った表現者になりたいと思っていました。ただ、歌の教室にも通っていましたが、やはり自己PRをするのが得意ではなかったです。しかし、19歳の時に神職の資格を取り、考え方が一変しました。自分のために歌っていたものが、日本の文化や伝承、家族の素晴らしさなどを誰かに伝えたいと思うようになったのです。そして、私自身がこの思いを伝えるツールであると認識し、これまであった「我」が取れた時に人前で歌えるように変わりました。

神職の資格を取ろうと思ったのは。

涼恵 父が兵庫県の小野八幡神社の宮司をしていたので、神社で育ちました。神社という場所が好きで、神社の仕事を手伝うことが大好きでした。ただ、女性が神職になれるとは知りませんでした。高校卒業後はイギリス遊学や自分のルーツを見つめるための親族巡りなどをしていました。

そんな時、神職だったいとこから女性も神職になれると聞いて、國學院大の講習会への参加を決めました。日本の国民のために祈ってくださっている天皇…

つづきは2020年6月10日号をご覧ください

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