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空間全体を使い表現する美術家 大舩真言さん(43)

ほっとインタビュー2020年12月8日 09時04分
空間全体を使い表現する美術家 大舩真言さん おおふね・まことさん=1977年生まれ。滋賀県在住。京都教育大特修美術科日本画専攻研究科修了。和紙に岩絵の具を塗り重ねる日本古来の技法を用いた絵画等を国内外の美術館や寺社などで展示し、国際的に高い評価を得ている。

海外の主要都市での個展や、世界最高峰の現代アートフェア「アート・バーゼル」への出品など国内外で活躍する。作品は絵画や立体、空間全体の空気感に配慮したインスタレーションなど既存の枠に当てはまらない。宗教空間など場の持つ独特の雰囲気と融合した作品は人々を引き込む。

奥岡沙英子

アーティストとして活動を始めた経緯をお聞かせください。

大舩 学生時代はスポーツやバンドなどで人前に出るタイプでした。京都教育大の特修美術科に進学し日本画を専攻しましたが、音楽活動も継続しており、いずれはその道でやっていくつもりでした。

美術教師、画家、音楽活動と三足のわらじを履いていた時期もあります。しかし、音楽では自分の考えや感情を表現しきることは難しいと感じる時期が来て、次第に自分にしかできない、ほかに代わりがいないのは絵だと気付き、使命感に駆られました。自分にとって絵に勝るものはないと知って、教師も音楽もやめる決断に至ったのです。

2003年にパリに渡り、滞在中にいろいろな在仏日本人芸術家の方を紹介してもらいました。70代のキャリアもある芸術家にアドバイスを仰いだ時「僕も必死にやっていますから、こうすれば良いという答えはない。好きにやりなさい」と言われ、日本にいた頃に持っていた「美術家としての生き方」という固定概念が崩れました。これまでも自分は自由にやっていると思っていたはずなのに、自分の中にあった思い込みに気付かされ、一枚一枚と皮がむけていくような感覚でした。

04年にルーブル美術館内「カルゼル・デュ・ルーブル」で行われた「Art Paris」に出展されました。

大舩 初めてパリにいた当初は3カ月間の滞在予定だったのですが、帰国直前に本当に偶然、声が掛かりました。そのアートフェアでは、雨が降る夜の暗闇に浮き上がる那智の滝を抽象的に描いた絵画を展示しました。ただ、ほかの作家の作品も並ぶ空間で、自分の作品が見えている人とそうでない人がいると気付きました。そこで自分の作品に人を引き込むにはやはり、会場全体の空気をつくらなければと感じました。

「VOID」(虚空)という作品にはどのような意味がありますか。

大舩 「無の中に感じられる有の存在」がテーマです。ないと思われることの中にこそ、様々な豊さがある。そのような体験を導き出したい。また全作品に共通して「全てつながっている」という感覚があります…

つづきは2020年11月25日号をご覧ください

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