PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報宗教文化講座2021
PR
中外日報宗教文化講座2021

檜皮葺きを支える原皮師 大野浩二さん(55)

ほっとインタビュー2021年1月26日 16時25分
檜皮葺きを支える原皮師 大野浩二さん おおの・こうじさん=1965年、兵庫県丹波市生まれ。高校卒業後、原皮師となり、2014年には父・豊さんの後継者として国が指定する選定保存技術保持者に。20年から全国社寺等屋根工事技術保存会(京都市)会長。大野檜皮工業社長。

ユネスコ無形文化遺産に「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が昨年12月に登録された。「木工」「装飾」「彩色」等17分野のうち「檜皮採取」に携わる「原皮師」として37年間、檜皮葺き建物を支えてきた。保存団体の全国社寺等屋根工事技術保存会の会長も務める。

河合清治

ユネスコの無形文化遺産への登録おめでとうございます。

大野 ありがとうございます。今回登録された17分野のうち「檜皮葺・杮葺」「茅葺」「檜皮採取」「屋根板製作」の4分野が現在、私が会長を務めている全国社寺等屋根工事技術保存会が保存する技術なので、とても名誉でうれしく感じています。今後もおごることなく、今まで以上に伝統技術の保存と継承のために職人の育成、研修等に努めていくつもりです。

私自身は丹波の原皮師の職人です。時代の流れとは逆行するような仕事で、ほとんど表舞台に立つことのない地味な仕事ですが、これを機会に、世界に注目される仕事なんだと若い原皮師たちに誇りを持ってもらえるようになればと願っています。

原皮師はかなり厳しい仕事だと聞きます。

大野 檜皮は樹齢80年以上のヒノキの立木から採取します。「振り縄」という端に木の棒の付いた縄を木に巻き付け、足掛かりと腰綱にし、木のヘラで皮をむいていきます。下から上に登りながらむいていくのですが、大きな木に朝から半日登ったまま作業するときもあります。小さな木なら半日に5本くらい剥ぐこともあります。大きな木ほど達成感がありますね。

一番気を遣うのは、木の肌を傷つけないことです。うまく皮がむければ赤い薄皮が残るのですが、まだ生きている部分で成長を続け、10年後に再び採取することができるのです。木べラから手に伝わってくる感覚を頼りに慎重に剥いでいきます。採取した檜皮を、専用の包丁で2尺5寸を基本とした長さに裁ち、30キロの丸皮に仕上げるのも原皮師の仕事です。

最初に採取したものは「荒皮」と呼ばれ、歩留まりが悪いのですが、2回目からは「黒皮」と呼ばれるきれいな皮が採れます。特に丹波産の檜皮は「黒背皮」といって、光沢と粘り気があり、耐久性が高い高級品として知られています。

手間のかかる地道な作業ですね。原皮師は何人くらいいるのですか。

大野 現在、うちの保存会には35人の原皮師が所属しています。古くから檜皮の産地は京都、兵庫を含む丹波地方で、職人も丹波に多…

つづきは2021年1月13日号をご覧ください

現場の視点に立って貧困問題に取り組む 大西連さん

現場の視点に立って貧困問題に取り組む 大西連さん

4月26日

NPO「自立生活サポートセンター・もやい」の理事長として、野宿者のアパート入居支援や生活困窮者の相談支援、社会的孤立を防ぐための交流事業、社会の仕組みを変えるための政策提…

古刹で育ち、蛇笏賞を受賞した俳人 柿本多映さん

古刹で育ち、蛇笏賞を受賞した俳人 柿本多映さん

4月12日

琵琶湖南西の天台寺門宗総本山園城寺(三井寺)で生まれ育った。蝶や蛇、曼珠沙華など境内・長等山の豊かな環境が原風景として作品に現れる。昨年蛇笏賞を受賞。「俳句は理屈ではない…

武装組織に40カ月拘束されたジャーナリスト 安田純平さん

武装組織に40カ月拘束されたジャーナリスト 安田純平さん

3月8日

料理人になるなどして現地に溶け込み、アフガニスタンやイラク、シリアの紛争地で取材を続けてきた。2015年、トルコからシリアの国境を越えたところで武装組織に拘束、3年4カ月…

コロナ下の行動 問われる良識に基づく自律

社説5月7日

薄れる戦前への反省 「国体」を躊躇なく語る時代

社説4月28日

多様性の尊重 標準を押し付けない社会

社説4月23日
お知らせ
このエントリーをはてなブックマークに追加