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京都高低差崖会崖長 梅林秀行さん(47)

ほっとインタビュー2021年2月22日 10時59分
京都高低差崖会崖長 梅林秀行さん うめばやし・ひでゆきさん=1973年、名古屋市生まれ。京都高低差崖会崖長。京都でミニツアーを主催する「まいまい京都」のガイドを務め、NHK「ブラタモリ」などテレビ番組に多数出演。京都ノートルダム女子大非常勤講師。

「京都高低差崖会崖長」を名乗り、京都を中心に高低差や凸凹などの地形を探索して「平地では得られない物語」の発掘に取り組んでいる。既存の視点とは異なる歴史探求には「現状から脱出する道が見える」こともある。その実感には長く苦しんだ引きこもりの経験への思いも見え隠れする。

池田圭

寺院や神社などが設置されている土地の地形にはどんな特徴がありますか。

梅林 仏教史のイメージで言うと「山中他界」の概念があります。平地が人間の生活舞台であるのに対して修行者は他界である山の中で修行する。平城京や平安京が置かれた奈良盆地や京都盆地はそういう意味で世界が区分されやすい土地で、都の近くの山の中にある比叡山延暦寺や京都東山の清水寺、奈良の長谷寺や室生寺などが典型です。

一方、京都祇園の八坂神社の江戸時代の絵図を見ると、塔頭に現代で言うところのカフェ(茶屋)やキャバクラのような宴会場がある。近代以降の宗教施設は厳粛さが求められますが、前近代は神仏の前で羽目を外すという、欲望が表現されている。

八坂神社などの寺社が集中する京都の東山エリアは東山の斜面に聖地が設定されているのですが、その境内は日常のルールから距離を置く場、歴史学者の網野善彦が言うところの「無縁・公界・楽」のようなルールが適用される場で、意外にも「生のリアル」や「性のリアル」が展開されていたことが分かります。

地形を通して見えてくる世界とは。

梅林 地形は不動産で、徹底的に非言語的な情報。それを見て歴史を語り直すと例えば、前述の八坂神社のように「自由」に対する考え方が時代によって異なることが分かり、我々の「当たり前」を脱することができる。

地形は人々が生きるために地面を掘ったり、ならしたりするので、地面などの不動産を見ると常に変化していることが分かります。京都のブランドを誇る人は「昔からずっと」や「先祖代々」と言いますが、実はどんどん変わっているのです。

歴史に対する固定観念はどうしても強い。

梅林 2015年1月に初めてNHK「ブラタモリ」に出演した際の事前取材で、番組のディレクターを御土居(豊臣秀吉が築いた京都を囲む土塁)の遺構に案内すると「全然はんなりしていないですね」と言われたのですが、「はんなり」のような古都のイメージは近代以降にできたものです。…

つづきは2021年2月10日号をご覧ください

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