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ダウン症の書家 金澤翔子さん(36)母・泰子さん(77)

ほっとインタビュー2021年8月2日 10時23分
ダウン症の書家 金澤翔子さん かなざわ・しょうこさん㊧=1985年生まれ。5歳で母に師事し書道を始める。20歳で個展を開催。NHK大河ドラマ「平清盛」の題字を手掛ける。これまでに建長寺や東大寺、建仁寺、比叡山延暦寺、西本願寺のほか、出雲大社や厳島神社など数多くの寺社で個展や奉納揮毫を行った。趣味はダンス。
かなざわ・やすこさん㊨=43年生まれ。77年に書家・柳田泰雲に師事。90年に書道教室を開設。一人娘の翔子さんの書家活動をサポートする。

書家の金澤翔子さんはダウン症のため、小学4年の時、普通学級から身障者学級へ転校することになった。落胆した母の泰子さんは娘に般若心経276文字を筆写させた。翔子さんは母を悲しませたくない一心でこの苦行に耐え抜き、やがて多くの人を感動させる書を次々と生み出していった。

岩本浩太郎

翔子さんは書にどんな思いを込めていますか。

翔子 最初に手を合わせて、天国のお父様に向かってうまく書けますようにと祈ってから書き始めます。そして、みんなに元気とハッピーと感動を与えられるよう心を込めて書きます。

好きな字は。

翔子 愛と光。それから翔子の翔。

翔子さんは聖書を毎日書き写されているそうですね。

泰子 以前、聖書の絵本を買い与えたら自然と書き写すようになりましたが、30歳を機に翔子が一人暮らしを始めてからいつの間にかやめました。お経も何かに突き動かされたように書いています。お釈迦様へのラブレターのつもりで書いている気がします。

翔子 うん、ラブレター。読んでくれているかなって。

好きなお寺はありますか。

翔子 鎌倉の円覚寺(臨済宗円覚寺派大本山、金澤家の菩提寺)。お父様のいる所だから。お父様は小さい頃に肩車をしてくれたり、ヨットに乗せてくれたりした。

翔子さんの書には技巧を超えた不思議な力があるように感じます。

泰子 翔子の書を見た人の多くが泣きます。普通、書を見て泣くなんてことないでしょ? その訳を私なりにずっと考えてきました。

翔子には競争心が全くない。学歴社会に入れず、計算とかもできないけれど、その代わり違う知性が大きく育った。優しさや感受性です。翔子はみんなが幸せでないと困ってしまう。だから他人の悲しみには非常に敏感です。

例えば数人が集まって食事をする際に翔子がふっと誰かに寄り添うことがある。その人が悲しい感情を有しているからなんです。

それと翔子にとっての未来とは翌日の昼食くらいまでです。未来のために計画を立てて頑張るという感覚はない。100パーセント今だけの時間を生きています。うまく書こうとか偉くなりたいとか思っていない。ただただ周りの皆に喜んでもらいたいという一心で書いています。

普通は鍛錬すればするほど観念的になるものでしょ? でも翔子には観念がない。欲望がなく、ただただ喜んでもらいたくて100パーセントその瞬間だけに思いを込めて書く書に、私たちの書がかないっこない…

つづきは2021年7月14日号をご覧ください

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