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本願寺派の沖縄戦映画の監督 太田隆文さん(60)

ほっとインタビュー2022年5月30日 09時15分
本願寺派の沖縄戦映画の監督 太田隆文さん おおた・たかふみさん=1961年、和歌山県生まれ。南カリフォルニア大・映画科で学ぶ。2005年に青春ファンタジー「ストロベリーフィールズ」で監督デビューし、原発をテーマにした「朝日のあたる家」や「ドキュメンタリー沖縄戦」など社会派作品を手掛けている。

映画界でタブーといわれた原発をテーマにした映画を製作し、浄土真宗本願寺派初の映画「ドキュメンタリー沖縄戦」の監督を務めた。原発や戦争を広く伝え続けるべき問題と捉え、ロシア軍のウクライナ侵攻などで不安が渦巻く世の中で「歴史を知ることが疑問を持ち考える力になる」と話す。

渡部梨里

映画監督を目指したきっかけは。

太田 若い頃、社会に対して不満を抱えていて、映画を見ることで励まされたり応援されたりしているように感じていました。音楽や舞台、小説などにも同じような力がありますが、映画はそれら全ての総合芸術で一番力強さがある。自分が励まされたように、今は映画を通して様々な人に力を与えられたらと思い製作しています。

青春ファンタジー映画から社会派の原発映画へ、大きく転換されました。

太田 東日本大震災の福島第1原発事故の報道を受けて、何が起こっているのか調べてみるとひどい状況でした。それにもかかわらず、楽観視している人も多かった。

自分に何ができるかを考え思い付いたのが「映画で伝える」ことです。しかし原発映画を撮ると、二度と商業映画は撮れないといわれていた。

企業からの製作費は集まらず、寄付を募り資金集めに奮闘しました。多くの俳優さんから出演を断られ、上映先も見つからなかった。それでも撮影場所の町の人々が協力してくれたり、新聞社などが「上映先が見つからない」と報道してくれたりして、無事に映画は完成し全国23館で上映できました。

浄土真宗本願寺派でも上映していましたね。

太田 本願寺派の原発問題を考える会で上映してもらいました。そこで総合研究所上級研究員の香川真二さんとご縁ができ、総合研究所が調査・研究していた沖縄戦について、戦争体験者の話を聞いて衝撃を受けたと話してくれました。

総合研究所は体験者から聞き取りをして、冊子にまとめる予定だったそうです。しかし私が「なぜ映像化しないのか。その方がより伝わるのに」と言うと香川さんは「監督、それやっていただけますか」と。そこから「ドキュメンタリー沖縄戦」の製作が始まりました。

沖縄戦への印象は。

太田 恥ずかしながら何も知りませんでした。原発どころではない広さと深さがあり、体験者の話は壮絶で聞くたびに打ちのめされました。

沖縄戦に関心がある人もそうでない人にも最後まで見てもらえるように、体験者が一番伝えたいところを軸にまとめ、アメリカ…

つづきは2022年5月11日号をご覧ください

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