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第16回「涙骨賞」を募集 中外日報宗教文化講座

新しいネットワーク 格差と孤立を超える活動

2019年2月27日 11時30分

国際宗教研究所主催の公開シンポジウムが17日、上智大で開かれた。テーマは「支え合う、はぐくむ、宗教の力―格差と孤立を越えて―」であった。発題者は4人だが、いずれも日々の活動において、特に副題にある「格差と孤立を越えて」ということを目指して活動している人々であった。神社神道、仏教宗派、カトリック、天理教の関係者からの体験に基づく提言がなされた。

非常に具体的で深刻な事例も多く紹介されたが、その語りの中にほぼ共通して感じられたことがあった。発題者は皆、現代社会のいわば谷間にあって苦しんでいるような人たちに取り組んでいる宗教者だ。しかし、自分の所属する宗教組織内部では、そうした人々に関わる問題にあまり共感が得られない。そうしたジレンマを陰に陽に語っていたのである。

宗教消滅とか寺院消滅という言葉には多くの教団が敏感に反応している。また宗教施設が世界遺産に関わることには大きな関心を寄せる。パワースポット、仏像ブーム、御朱印ブームといった話題にも関心はそれなりに強い。

シンポジウムで語られたのは、例えば難民や路上生活者であり、突然の災害によって家族を失い悲嘆に暮れる人たち、また誰からも見放され、やがて孤独死するのが確実なような人たちである。

このような人々に関わる活動に対し、なぜそんなことをしなければならないのか、それは行政の仕事ではないかと、自分の関係する宗教者たちからよく言われるという。あるいは行政や一般の人たちから、それは結局、布教目的ではないかと疑われる。

宗教的理念に従った社会活動、福祉活動が、結局布教のためだろうと見られるのは、現に一部とはいえそうした教団があるからであり、とばっちりという面がないでもない。しかし同じ宗教に関わる人たちの共感の乏しさは、なかなか辛いものがあるのではないか。

もう一つ感じられたのは、彼らが同じような志を持った別の教派関係者とのつながりに希望を抱いているということである。もはや一つの宗教の枠にこだわるのは意味がないのではないか、というような趣旨の発言もあった。

こうしたシンポジウムの意義の一つは、同じ考えを抱いた人々の接点を増やしていくことにある。同じ宗派に属する人たちが共通の理念に従って社会的な活動をする力は大きい。それと同時に、その枠を超えて同じような問題意識を抱く異なった宗教に属する人たちのネットワークが生かせる時代にもなっているのである。

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