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第16回「涙骨賞」を募集 中外日報宗教文化講座

街の灯台コンビニ 終夜営業見直す時では

2019年3月6日 14時12分

国民学校が小学校になった1947(昭和22)年、音楽の教科書に「とうだいもり」の曲が登場した。明治以来、古風な歌詞で歌い継がれた英国の民謡曲に、詩人・勝承夫が親しみやすい歌詞をつけたものだ。安全航海を願って夜の荒海を照らす灯台守の苦労をたたえる内容だった。

10年後に「喜びも悲しみも幾歳月」という映画が封切られた。辺地の岬や孤島に立つ灯台の灯を守る職員夫妻の厳しい生活を描いたものだ。木下忠司作詞・作曲の同名の主題歌が観客の共感を呼び、広く愛唱された。

灯台守を称賛する二つの曲が歌われた頃、米国で生まれた新しい業態の小売店、コンビニエンスストアが日本に“上陸”した。灯台のように昼も夜も休まず営業して、そこへ行けば一通りの必需品が必ず買えるのだから、まさにコンビニエンス(便利)な存在だ。深夜に明々と灯をともすさまは、街の灯台であった。電気冷蔵庫が少なかった時代に、いつでも氷が買えることが、コンビニの魅力の一つだった。

四国八十八カ所を歩いて巡拝する人々には、かつては“遍路転がし”と呼ばれる険しい山道が難所とされていた。現在は様変わりして、室戸岬や足摺岬の周辺が難所だという。集落が少なくて沿道にコンビニがなく、飲食物の補給ができないからだ。

ところで、航海安全に黙々と奉仕してきた灯台守、つまり海上保安庁の灯台職員は、今は一人もいない。自動化、無人化が進み、2006(平成18)年、長崎県五島市の女島灯台を最後に姿を消した。映画主題歌の「沖行く船の無事を祈って灯をかざす」を意味する職務は昔語りとなった。

またGPS(衛星利用測位システム)の発達と相まって、灯台そのもののリストラも進んでいる。全国総数では03年の3347基をピークに、毎年約30基ずつ姿を消しているそうだ。

さて、街の灯台コンビニも転機を迎えている。セブン-イレブン傘下の大阪府内の店主が、従業員不足を理由に深夜の営業を中止したことが、業界の関心を集めた。人手不足が進むと、店主がレジに立つ時間が増えて、過労死を招きかねないという。

「24時間営業してこそコンビニだ」と主張していたセブン-イレブン本部も、一部直営店で試験的に時短営業を始めるという。お客さまを神様扱いして、おでんを温めたり送金を代行するなどサービスに努めるのは良いが、働く仲間を“同行”としていたわり合う姿勢があってもよいのではないか。

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