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修行の価値を護る 必要な改革はためらわず

2019年3月27日 11時10分更新

日蓮宗の遠壽院(千葉県市川市)で昨年11月から100日間行われた荒行で、4人の出行僧に「清規違背があった」として「許証」が授与されなかった。本紙2月15日付の記事によれば、異例のことであるという。

遠壽院は昨年6月に専門部会の「行堂研究会」を設け、行の基本を大切にするという目的で修行道場について全般的な研究を始めていた。同院の戸田日晨伝師は荒行を成満した門人約250人にアンケートを行い、それを踏まえ行堂改革に取り組んできた。

清規違背の具体的な内容は明らかにされていないが、許証を授与しないという異例の措置から、行堂改革の本気度が伝わってくる。

修行を重視する宗派で、宗門の永続性を支える道場の伝統は危機にさらされている。「聖域」である修行道場を取り巻く環境の変化は危機の大きな原因だ。世俗社会つまり世間だけでなく、本来は聖域を守る緩衝領域になるはずの宗門内でも環境は変化している。

宗門の聖域であれコンプライアンスは社会から厳しく問われる。相撲部屋の暴力に対する社会的糾弾はよく引き合いに出されるが、確かに別の世界の話ではない。宗教的価値が一定程度は尊重されても、モラルからの明らかな逸脱には容赦ない批判が向けられる。

宗門内では宗門自体の世俗化、寺の家庭化の影響が目立つ。修行の場に携帯電話を持ち込む例や、理解し難い苦情を言い立てるモンスター・ペアレントの存在など、驚くような話も聞く。修行より資格取得が重視される傾向もある。

道場内部の問題も無視できない。修行制度の根幹には、それぞれの宗派の信仰の核に当たる宗教的価値が存在する。修行に伴う暴力などは宗教的価値を見失ったところで発生するのであろう。

修行道場が抱える様々な現代的問題はそれぞれの宗門で真剣に検討されてきた。修行の本質を護るため、どのような内部改革が必要か、道場の秩序を維持し、社会的な関係を調整するため、危機管理体制をどうするか、課題は多い。

10年ほど前、禅宗の僧堂で雲水の死亡事件が起き、先輩僧侶が傷害致死容疑で逮捕送検された(その後、不起訴処分)ことがある。社会的責任を問われた宗門の対応は早く、法律家の助言のもと宗制の改正を行った。

このように喫緊の課題となった場合を除き、聖域の改革には腰が引ける傾向があるが、宗門内外の環境変化の圧力は高まっている。修行の根幹の価値を護るため、必要な改革には本気で取り組むべき時期に来ている。

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