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今夏のWCRP大会 日本からの発信に期待する

2019年4月12日 12時56分更新

宗教者の社会的活動には大きく分けて2種類ある。一つは、社会の中で困窮し孤立している人に寄り添い、傾聴し、励ましていく社会的支援である。もう一つは、無縁社会や平和問題など社会の諸問題に対して、宗教としての提言を行い、世論を先導していく社会的啓発である。両者は形としては別個のものであるが、いずれも宗教的信念や教えに基づいてなされる点で共通する。その根底にあるのは、神仏への信仰に基づく宗教者としての姿勢である。

宗教者による社会的啓発は、教団・宗門単位で行われることもあれば、宗教界全体として行われることもある。超宗派で構成され、日本だけでなく世界レベルで活動する団体としては、世界宗教者平和会議(WCRP)がある。WCRP日本委員会は日本におけるその下部組織ということになる。

今年夏、第10回WCRP世界大会がドイツのリンダウで開催される。全体テーマはCaring for Our Common Futureだ。直訳すれば「我々の共通の未来をケアする」だが、日本委員会では「慈しみの実践―共通の未来のために」と訳した。これは、内容的により深く踏み込み、しかもより宗教的に表現した訳語ではないだろうか。

先般、世界大会に向けて日本に何が発信できるかを考えるという問題意識を込めて、同委員会主催の平和大学講座が大阪で開かれた。基調発題では、庭野光祥・立正佼成会次代会長が、これまでの世界大会の流れと今回のテーマにある「ケア」の意味するものについて詳しく報告した。

2013年の第9回世界大会のテーマがWelcoming the Other(他者を歓迎する)であったが、この時も日本委員会は「他者と共に生きる歓び」と秀逸な訳し方をした。しかしその後、実際に「他者」である移民や難民を受け入れてきたヨーロッパ諸国は、混乱と対立という苦渋の現実に直面した。「慈しみの実践」は、そうした背景も踏まえ、だからこそ他者への慈悲行を行うことの大切さと意義を表明するものである。

ニュージーランドで起こったモスク襲撃事件の後、アーダーン首相はずっとヒジャブをかぶり続け、追悼の場などではムスリムの人々を抱き締めている。また「悪名」を手にしたテロの犯人の名前を決して口にしないとも発言した。こういう姿勢はまさに「慈しみの実践」といえないだろうか。こうした実践をいかに宗教言語で表して人々を啓発していくかが問われている。今夏のWCRP世界大会において、日本からどのような発信が行えるか期待したい。

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