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責任あいまい社会 戦前からの宿痾なのか

2019年12月6日 11時51分

昭和からの歴史を顧みて、12月には重要な意味を持つ日が2日ある。8日が先の大戦開戦記念日、23日が上皇陛下の誕生日だが、東京裁判で死刑を宣告されたA級戦犯7人の刑が1948年に執行された日でもある。執行は時計の針が23日午前0時を回るとすぐ始まった。ちなみにA級戦犯が起訴されたのは46年4月29日で昭和天皇の誕生日、東京裁判の開廷は同年5月3日で今の憲法記念日と重なる。

上皇陛下は幼くして戦争の重荷を背負わされており、これまで語ってこられた戦争への反省、平和への祈りや歴史に学ぶという言葉の切実さに改めて気付かされる。先の大戦は長い歴史を誇る日本が国家神道支配下で滅びかねなかった唯一の経験だった。開戦とその責任者の断罪という、形の上では一応の結末を見た12月は重層的な意味で平和報道ラッシュの8月と並び注目されるべきだが、ここでは少し視点を変えて考えたい。

旧軍部要人ら東京裁判で訴追された被告の口述書を読むと、満州事変から終戦への事態の展開が、まるで天災に遭遇したような印象を受けるという。被告が「戦争のほかに選択の道はなかった」と自己の戦争責任を異口同音に否定したのは知られているが、選択肢を失っていく過程に自分も関与したという主体的な責任意識がうかがえない。あいまいな言葉を並べ立て、裁判官らの理解を困難にさせてしまうことも多かったらしい。

歴史の事実は、関東軍若手参謀らの暴走を引き金に主戦論が軍部に台頭し、新聞報道などで中国や英・米への敵意を煽られて世論も好戦的になると、今度はそれが既成事実となり、引っ込みがつかなくなってずるずると敗戦覚悟の世界戦争へと突き進んでいった。

この経緯を、近年の時代潮流と重ねて見る人が増えてきた。

周囲の空気感を忖度し大勢に順応していく昨今の政官界。国会論戦で政権が見せる論点ずらし、はぐらかしなど不誠実な答弁が「ご飯論法」としてまかり通る世相。福島の事故の原因究明が不十分なまま原発の再稼働を止めないエネルギー政策や、無理筋と分かっていながら進められた大学入試での英語民間試験の顛末など、根の部分に共通の病巣を抱えたような事例が近年、やたらと多い。責任の所在がぼかされているのだ。

戦争責任は戦犯に、戦争犠牲者への祈りは天皇陛下に任せて日本は戦後を歩んできたといわれる。責任感覚が鈍感な自画像が浮かぶが、それが今の社会現象に関係しているだろうか。戦後75年を前に一考すべき宿題であろう。

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