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未来への責任 宗教が貢献できる役割

2019年12月18日 10時31分

スペインで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの行動や発言が再び注目を集めた。

トゥンベリさんに対しては個人的な中傷を含め、批判やネガティブな評価もあるが、世界で注目され、若者をはじめ広い層から支持されている。「グレタ・トゥンベリ効果」ともいわれ、気候変動危機への関心はさらに強まった。

とりわけ記憶に残るのは、国連の気候行動サミットで、前を通り過ぎるアメリカのトランプ大統領に対し、彼女が向けた怒りあるいは嫌悪の表情だ。多くの人が覚えているだろう。気候変動問題の深刻さを象徴的に示す映像の一つといえるかもしれない。

人類社会が何百年か未来まで存続していれば、子孫たちは私たちの世代に対してどう考えるだろうか。私たち日本人は500年前の先祖に強い怒りを覚えることはあまりないだろうが、今を生きる私たちが何十年、何百年か先の子孫から果たして尊敬されるかといえば、ずいぶん心もとない。ひょっとすれば、彼らが21世紀の私たちに示すのはトゥンベリさんと同じ激しい嫌悪の表情ではないか。

その嫌悪が向けられるのはトランプ大統領やロシアのプーチン大統領、中国の習近平主席や日本の安倍晋三首相のような権力者だけではない。私たちの世代そのもの、私たち一人一人である。

私たちは隣人や社会に迷惑を掛けず共存すべきことを当然知っている。しかし、アメリカンファーストや都民ファーストのような国家エゴ、地域利害を最優先する主張は堂々と擁護、支持される。ましてや、私たちの世代のエゴイズムや欲望を抑制するモラル、未来の子孫を思いやる愛などは容易に確立されるとは思えない。それを推進できる力を持つのは宗教しかないだろう。国連が示すSDGsにしても、その理念を補強して実行する上で、宗教の教え、活動は大きな力となるはずだ。

基本的人権や民主主義の理念など、長い期間にわたって人類を導いてきた新しい「価値」を創造したのは、歴史的に見れば宗教であったといわれる。様々な価値が共存し、多元化する中で、永遠にとは言わないが遠い未来まで人間の世界を支えることができる価値を示すのは、これからも宗教の役割だと考えたい。

問題は気候変動だけに限らない。未来に対して、私たちは重い責任を持つ。とりわけ宗教は、その重責を担う自覚のもと、時代を超えた倫理を示さねばならない。

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