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時は常に新しい 宗教の創造的根源に戻る

2020年1月10日 11時43分

情報技術が進歩して、大量のデータに基づいて将来を予測することが行われている。入社希望者の内定辞退の確率まで算出されるそうだ。もちろんこうした予測の不確かさもよく知られている。データは正確か、満遍なく集められて偏りはないか、処理の仕方に不備はないか等々で、結果も確率でしか与えられない。確率は繰り返しが可能な場合には有用だが、この一回が問題だというときには役に立たず、選択は賭け同様になる。

しかし最大の問題は、このような予測が、将来は過去の継続だという時間把握に基づいているところにある。実際、過去の事実から将来の予測が可能な場合は少なくないのだが、時間の本質は常に新しいこと、創造が生起することである。どれほど遺漏なくデータを集めたつもりでも、予想外の事態が起こる。想定外でしたという言い訳は日常的に聞かれる。

自然界では持続するものも少なくないが、生命の世界では、生体の形と構造は変わりにくくても、生命活動は常に新しい。例えば感覚は持続するように見えても、実は瞬間ごとに新しく生起する。心臓の鼓動なども全く同様である。持続ではないから変化がある。

創造は歴史の本質でもある。歴史一般についても進歩は創造による。文化の場合、人間は言葉を創造し、文字を発明し、認識を広げ、発明や発見によって文明を創造してきた。将来は過去の継続ではない。予測が支配するとき、新しいものは見過ごされ葬られる。文化の世界でもどれだけ重要なものが埋もれてしまったことか。

ところで過去が支配しやすい領域がある。伝統が尊ばれ、伝統を忠実に守ることが重視される領域である。祭祀がそうだ。宗教的儀礼の本質は決められた通りを厳密に守り再現するところにある。変更は例外である。

では、宗教一般はどうか。世界的宗教といえども創造されたときは全く新しかった。文化一般にとっても新しいものだった。それは伝統と闘い、過去を克服して成長した。しかし偉大な教祖はめったに現れるものではないから、後代には教祖の教えが規範となり、初期教団の決定が支配的となる。時がたつにつれ周囲の世界の方が進歩して宗教は取り残されてゆく。

しかし本来、時間は常に新しい創造だということは偉大な宗教、つまり教祖の経験を省察と瞑想が教えたことであった。今求められることは、伝統の再現維持ではなく、宗教の根源に帰って新しい形を求めることではないか。初めから諦めることはない。宗教はもともと万人のものだ。

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