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阪神大震災から25年 リスクは膨らんでいる

2020年1月17日 11時08分

ロサンゼルス近郊で1994年1月17日に起こったノースリッジ地震で高速道路が崩壊した際、日本の専門家は「日本の耐震基準では起こり得ない」と言い切った。だが、1年後の同じ日に発生した阪神・淡路大震災で阪神高速道路があえなく長々と横倒しになった。成熟した大都市を直撃した史上初の直下型地震といわれた震災だ。以来四半世紀を経て科学技術への思い上がりばかりか、この震災が警告した数々の社会的ひずみは今、一層深刻化した感がある。

東日本大震災をはじめ、その後も続発する大災害のたびに聞く慣用句「想定外」は、自然の脅威を現代人が自己に都合よく「想定」したから外れたにすぎない。むしろ先人の方が自然との向き合い方は理にかなっていたように思う。

鹿児島県の東桜島小に「科学不信の碑」と呼ぶ石碑がある。1914年に桜島が大噴火した時、前兆で住民は避難したが、鹿児島測候所が噴火を否定し、科学を信じて残留した知識層が犠牲になった。石碑は10年後に建立され、碑文に「住民は理論を信頼せず異変を認知したら未然に避難の用意をすることが最も肝要」と記す。科学の知見や科学技術は生活を豊かにする半面、過度な依存はむしろ致命的な害をもたらす。その視点からは、原発破綻後もなお科学技術信仰にすがり、再稼働を止めない社会は理解不能でさえある。

高度成長期以降、集中整備された橋梁、トンネルなど公共構造物の老朽化も心配されるが、より大きな危惧は急激な人口高齢化だ。

阪神・淡路大震災で高齢被災者の多さに驚かされ避難生活や復興の厳しさを気遣ったが、懸念通りになった。高齢者が劣悪な環境の避難所で理不尽な死を遂げ、復興住宅で孤立死する。悲劇は今も各地で災害の都度繰り返されている。

高齢化は大都市も同様で、人口急増の東京都は高齢者、中でも後期高齢者が増え、64歳以下は減っている。高齢者人口は20年後、全体のほぼ3割と推定され、そこに直下型地震が来たら何が起こるのか。四半世紀前、神戸市の高齢者比率は1割強にすぎなかった。

どの災害も人災的要素がある。だが、逆に人々の努力で被害を少なく抑えることもできる。疫学的に、社会とつながりの多い人は長寿に影響するといわれるが、それは災害にも通じ、阪神・淡路大震災では地域の連帯感が強い所は命の救出や避難、復興に力を発揮した。様々な要因で人々の分断、孤立が広がる時代潮流の下、心の絆を結び合わせる宗教の役割が一段と重要になってくるはずである。

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