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震災の教訓忘れない 言葉より催しで伝える

2020年1月22日 11時04分

東日本大震災で甚大な被害があった岩手県釜石市で2月2日、日蓮宗仙寿院を中心に「新春 韋駄天競走」が開かれる。多くの住民が犠牲になった津波禍を受け、いのちを守るためには危険が迫ったらすぐ高い場所へ走って逃げるという教訓を踏まえた節分行事。震災3年目の2014年から続き、地元だけでなく各地から参集した老若男女がコースに分かれて足を競う。海岸に近い地点をスタートし、山の中腹にある同寺まで一気に駆け上がるレースは、まるで津波避難訓練さながら。走者も沿道で応援する住民たちも改めて震災の記憶を呼び覚ます。

災厄を忘れず、再び大きな犠牲を出さないようにという防災・減災の心構えは、何年たってもその重要さが減ずることはない。東日本大震災の記憶の風化が言われ、全国で地震、水害、台風などの災害が相次ぐ今こそ、余計に以前の教訓を生かすことが大切になる。

同じく被災地の宮城県山元町では、現在もなお市街地が壊滅したままの平地にぽつんと立つ曹洞宗普門寺が中心になって、毎年3月11日に「竹灯籠」という慰霊行事が行われる。震災翌年から、寺と地域住民、全国から集まるボランティアが協力して実施しており、追悼法要の後、町じゅうに並んだ数百の竹製灯籠や紙のあんどんの灯火が夕闇に浮かび上がる。

震災前、東北各地にあった昔の津波禍を伝承する石碑などがほとんど顧みられず、避難につながらなかった。海岸地帯に見られる、「ここより海寄りに家を建てるな」の教訓碑も同様だ。災害の教訓を末永く伝えるためには文書や語りだけでなく、人が集まる催しも大事なのだ。そこに宗教者の役割もある。福島も含めて被災県の様々な宗教施設で取り組みが続く。

節分という年中行事に合わせて韋駄天競走を企画した仙寿院の住職は「毎年繰り返すことで、警報が鳴ったらすぐに走るということを頭よりも体で覚えていただきたい」と言う。釜石では津波が日中だったにもかかわらず3千人近い小中学生のほとんどが無事だった。「釜石の奇跡」と称せられたが、学校関係者は「日頃からの避難訓練の成果で、奇跡などではない」と強調した。

高台に位置する同寺は市街地のどこからでも見え、「普段から寺を目にしたら津波避難を思い起こしていただければ」というのが住職の願い。普門寺の住職も「100年以上たっても続けられ、灯籠を見ていのちの大切さや、それが奪われる災害への備えをしっかり考えていただきたい。伝え残すのも寺の大事な役目です」と話す。

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