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新型肺炎と桜を見る会 情報への責任ある対応を

2020年2月7日 13時02分

中国・武漢を発生源とする新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっている。感染者も日増しに増大中だ。一方、日本の国会では安倍晋三首相の「桜を見る会」の疑惑追及ばかりが時間を取って行われたとして、批判が強まっている。国としての危機管理をよそに、そんな“些事”ばかりを議論するべきではないというのが、その理由である。

しかし、この二つの問題は根の部分でつながっている。どちらも政府による情報公開と説明責任が強く問われる事案だからである。新型コロナウイルス感染がここまで拡大してきた原因の一つに、発生の初期段階で中国政府が情報を隠蔽してきたことがある。また、「桜を見る会」がこれだけ大きな問題になった主な理由は、首相官邸および内閣筋による公文書の恣意的な廃棄があったからである。

新たな感染病という不測の事態が発生したり、政治家の信義則違反という不祥事が発覚したりしても、その時点で適切な情報を公開し、責任ある説明を果たしていれば、どちらも問題は早期に決着していたであろう。国民に対する為政者の重い責任が厳しく問われるのは当然である。

高度情報化社会といわれる今日、情報発信は権力やメディアの側にあるばかりではない。SNSを通じて一般市民もまた情報の受信者であると同時に、情報発信者にもなり得る。例えば「空港から新型肺炎の感染者が逃げた」などというデマをうっかりツイートしたりすれば、知らずしてフェイクニュースの担い手になる危険がある。十分気を付けていないと、間違った情報も正しい情報と同様に拡散していってしまう。

そのようなときこそ我々は情報を見極め、正しい知見を得る知恵を持たなければならない。そして、自らも情報の発信者として、しっかりと責任ある言動を取っていくことが求められる。こうした情報への責任ある対応姿勢こそ、仏教の八正道の中の「正見・正思惟・正語・正業」に重なるものではないだろうか。

仏教はただ単に出世間の教えにとどまるものではなく、また八正道も修行のための実践徳目に尽きるものではない。むしろ仏教の教えは、世の中で起きる様々な出来事に、出家の心で対応していくための人生の叡知でもある。それはこの世におけるエゴイズムから解放されるとともに、衆生への限りない慈悲を目指した生き方である。今後、拡大する可能性が高い新型コロナウイルス関連情報についても「正見・正思惟・正語・正業」を心掛けていきたい。

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