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コロナショック 隣国日本の大きな役割

2020年2月12日 15時52分

国際社会を巻き込んだ新型コロナウイルス禍は、地球規模の人の移動に潜むリスクを改めて見せつけているが、同時に国の危機管理と国家や地域の垣根を越えた相互協力体制の成熟度を試しているようでもある。だが、感染拡大で防疫の要請を超え中国人を排斥する空気が広がり、欧米では日本人も含むアジアの民衆に対する偏見や差別が顕在化しているという。気掛かりな状況になっている。

地球温暖化も含め近未来に予想される災いは瞬時に国境を越え、猛威を振るう事態も予想される。人類が一体で取り組まねばならない事態が生じたとき、人々の心の壁は想定外の障害を招く要因になりかねない。今回、既に世界経済や生活に大きな影響が出ているが、そんなグローバルな世で、普遍的な人間愛を否定する人種主義的な思想は時代錯誤も甚だしい。

人間関係は考えている以上に重要な働きをする。全米の精神科医・心理学者らの論文を集成した『ドナルド・トランプの危険な兆候』(岩波書店)によると、例えば人との多様な結び付きは高齢者の死亡率に関係し、風邪の予防にも有効という報告がある。大事なポイントは交友の「多様さ」であり、人数の多さではない。様々な立場からの忠告が聴けるからだろう。同書は1962年のキューバ危機の際、ケネディ大統領が開戦を主張する軍高官を抑え、ソ連との核戦争による人類の危機を救ったのは、自己の周囲に築いた与野党にもこだわらない幅広い人間関係の力だったという。

トランプ大統領は逆に、意見の違う人材を次々排除し、イエスマンで固めて不愉快な情報は遮断するから政策決定も衝動的になり、危ういと指摘する。金魚鉢の濁った水は替えないと、政策もどんどん不透明になっていくわけだ。

この論を敷衍すると新型コロナウイルス禍の拡大は習近平政権を頂点とする共産党一党独裁の下、自己保身のため上層部が嫌う情報を見て見ぬふりする官僚機構の風通しの悪さと関係するという趣旨の報道はうなずける。この図式は昨今の日本の政・官界風土ともぴったり重なって見えるが、ここでの主題はそのことではない。

冒頭の話に戻すと、今度の事態で各国に反中感情やアジア系への差別が広がった要因の多くはデマ、悪意の類であろう。日常は気に留めない食文化まで嫌悪感を助長している。他国に不安を抱いたときこそ冷静でいるには、普段から世界は相互依存で成り立っているという認識が必須だ。交友関係の深い日本こそ役割は大きいはずである。

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