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涅槃会 お釈迦様を追慕する日

2020年2月14日 13時10分

2月15日は三仏忌の一つ、涅槃会。お釈迦様の命日であり、寺の本堂には涅槃図を掲げ、遺教経を読経して、お釈迦様を追慕する。

旅の最後にクシナーラに来た80歳の釈尊は「さあ、アーナンダよ、わたしのために、二本並んだサーラ樹(沙羅双樹)の間に、頭を北に向けて床を用意してくれ。アーナンダよ、わたしは疲れた、横になりたい」と涅槃を迎える準備を命じる(中村元訳『ブッダ最後の旅-大パリニッバーナ経』)。

釈尊は右脇を下にして横たわり、「正しくこころをとどめていた」。沙羅双樹は時ならず花開き、天のマンダーラヴァ華(曼陀羅華)や、天の栴檀の粉末が虚空から修行完成者の体に降り注いだ。

釈尊は修行者たちに説法し、最後に「諸々の事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成なさい」と告げ、「完きニルヴァーナ」に入った。入滅とともに大地震が起き、天の鼓(雷)が鳴った、と経典は伝えている。

涅槃図には釈尊の死を嘆く弟子たちの姿と共に、様々な動物植物が描かれることが一般的だ。参拝者に画面に盛り込まれた意味や物語を説明する絵解きは涅槃会の恒例行事である。日本には存在しない犀が想像で描かれているのに、猫が多くの涅槃図では見当たらないことの説明も幾つかある。

ところで、2月15日という涅槃の月日の伝承であるが、「原始仏教聖典資料による釈尊伝の研究」グループの責任者である森章司・東洋大名誉教授によれば、南方伝承では降誕(出胎)、成道、入滅は全て「ヴェーサーカ月の満月の日」つまり、年は違えど同じ2月15日。タイなどのウェーサク祭や「国連ウェーサクの日」は「ゴータマ・ブッダの誕生と悟り、そして、入滅を記念する」日として「毎年5月の満月の日」を祝うことになっている。

北伝仏教の系統の日本では降誕会は4月8日、成道会は12月8日、そして涅槃会は2月15日とそれぞれ異なる日に執り行われる。降誕会は晴れやかな春の花まつり、成道会は寒を加える時期の禅宗の臘八接心など、季節感を伴う行事だ。日本らしいといえば誠に日本らしい。三仏忌のそれぞれは俳句の季語にもなっていて、少し調べると様々な作例も出てくる。

旧暦で3月に涅槃会を営む寺では、春の到来を告げる行事として万を数える参拝者でにぎわうこともある。俳句の世界ほどに涅槃会が市民の日常感覚に根付いているかどうかは少し疑わしいが、もっとポピュラーな行事にできる可能性があるのではないだろうか。

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