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IR計画への疑問 カジノ立国は誰が望むのか

2020年2月26日 10時01分

カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の計画は秋元司・衆議院議員(自民党離党)が収賄罪で起訴されるなど大きな汚点を付けたが、政府はIRを推進する方針を変えないようだ。

年が明けて最初の報道各社の世論調査では、いずれも反対が賛成を大きく上回る。カジノ誘致推進派のあるサイトは賛成の比率が上昇、調査にはバイアスがかかっている、などとするが、「上昇」とか「バイアス」と強弁してごまかせる話ではない。国民がカジノ誘致を歓迎しないことは数字が如実に示している。なぜ強引に、急いで誘致しようとするのだろう。

IR誘致で一歩先んじているように見える大阪府・市がまとめた「基本コンセプト案」は、「観光立国」を目指す政府が「成長を支える大都市に政策と投資を集中」と同府・市の認識、立場を説明する。「集客力の強化」「情報文化創造発信拠点」「経済効果の波及」などばら色の目標を掲げるが、警察との連携など「犯罪・不正防止対策」やカジノへの未成年者の立ち入り禁止など「青少年対策」、依存症患者のカジノ立ち入り禁止といった「依存症対策」を列挙しないと、客観性のバランスは取れない。

さらに、これだけのセーフティネットがあれば大丈夫だ、とも思えない。予想される大きなリスクをよそに、あくまでも金儲けに邁進するのか。IR開設を商機と捉える人々にとって、政治家への献金などほんのわずかな先行投資だ。そうした金の流れさえ抑えきれないIR構想の中で、事業者による「地域貢献活動」の効果を約束されてもたやすくは信用し難いのである。

「地域活性化」は魔法の言葉である。だが、観光立国ならぬカジノ立国で、どのような国を造ろうとするのだろうか。確かに、誰かが大きな利益を得るのだろう。それが、インバウンドの消費拡大として数字に示されるかもしれない。しかし、果たして市民生活の向上につながるかどうか。一見入念に準備される「セーフティネット」も社会をリスクに曝すのを想定したものだ、ということは忘れるわけにはいかない。

自民党は「経済、教育、外交、暮らし」の「再生」を政権公約に挙げている。経済・外交はいざ知らず、教育や暮らしはどうなるのか。国民が誇れる社会、国になるのだろうか。インバウンドの消費拡大を示す算盤の数字は示されても、美しい国の姿は見えてこない。仏教の五戒に賭博の禁戒は含まれていないが、宗教者として賛同できる要素はそこにはない。

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