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特措法改正 運用のあり方監視を

2020年3月18日 11時20分

新型コロナウイルス感染症を対象に加えた新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案が13日に衆参両院で可決され、14日に施行された。これにより、政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため「緊急事態宣言」を出すことが可能になる。対策の中には私的権利の制限も含まれる。

政府の新型コロナウイルス感染拡大防止対策は、医療崩壊という事態を回避する配慮も働いているかもしれないが、後手に回っているという批判が強い。中国からの入国制限が早い段階で行われなかったことや、ダイヤモンド・プリンセス号に関わる不手際が世界に発信されたことなど批判を招いても仕方がない点は多い。不足しているマスクの転売行為や、感染が確認された人の中に社会的常識に反する動きも見られ、インターネットなどで批判が飛び交った。

政府が強い権限をもって感染拡大防止にあらゆる手を打つべきだという声は高まっていた。安倍晋三首相も「歴史的緊急事態」という言葉を用い、危機意識を表現した。その表現は間違ってはいないだろう。ただし、法改正以前に、もっと早く適切な対策を取れなかったのか疑問が残る。

改正法は施行日から最長2年間の特例措置。国会は付帯決議で、緊急事態宣言は「やむを得ない場合を除き、国会へ必要事項を事前に報告する」と明記。「国民の自由と権利の制限は必要最小限のものとする」ことを求めた。もっとも付帯決議自体には法律的な拘束力はない。

詳しいことは分からないが、新型コロナウイルス発生源の中国は強権発動が奏功し、感染はピークを越えたとされる。その成果を一定程度評価する人がいても、日本が同じような国家体制になることを望む人は少ないだろう。しかし、パンデミックに対する新たな闘いの中で、日本も「国家」という価値への一元化が加速することが懸念される。

特措法改正で気に掛かるのは、十分な内容の検討がなされたかどうかだ。緊急性が高いとはいえ、私権の制限という憲法に関わる内容を含むだけに、わずか3時間の審議で大丈夫だったのか不安がある。国によってこれから進められる新型コロナウイルス封じ込めの具体的対策が成功することを願いつつ、その過程を「国家」とは別の視座から注視していく必要があるだろう。

同調圧力を伴う息苦しい雰囲気が世間に広がりつつある。その中で、人々の心の健康と社会の健全さを守るため何ができるか。宗教の役割が問われている。

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