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修行の「厳しさ」 現代社会における価値

2020年4月1日 13時08分

曹洞宗では、1965年に2481人だった10代の宗侶人数が2015年には850人に減少したという(本紙3月4日付)。少子化だけでは説明できない。原因は単純ではないだろうが、10代の僧侶が半世紀で3分の1に減ったというデータはかなり深刻だ。

同じ禅宗でも、臨済宗に関してはいま手元に比較できる数字はない。しかし、専門道場で修行する雲水が減少し、僧堂の規矩が保てないという悩みを聞くようになって久しい。堂内と常住を分担する直日、知客など、古参の雲水が務める役の適任者がいなくなると、伝統的な修行形態の維持が難しくなる。

冒頭に引用したのは今年2月の曹洞宗宗議会の質疑で議員から示された数字だが、同議員は昨年4月現在、全国28カ所の認可僧堂の総安居者数が465人で、5年前に比べ272人減になっている、と指摘した。

社会人としてのキャリアを経て道場に入門する例は今も少なくない。しかし、大卒、掛搭というコースが主流であることは間違いなく、この流れが徐々に細っている。道場での修行期間の短縮化も安居者減の一因だ。

禅宗に限らず、道場を敬遠する理由としてよく挙げられるのが、修行の「厳しさ」。スマートフォンのタップやフリックで用件が片付き、場合によっては欲望も満たされる生活に慣れていては、古い規矩に縛られる道場生活が息苦しいのは当然だろう。だが、社会的相当性から大きく逸脱した暴力までが修行、指導の名の下に黙認されたのは昔の話だ。宗教的価値が基盤にある「厳しさ」は、たとえ反時代的に見えても貴重である。

変えるべきは変え、護るべきものは護る、ということがよくいわれる。まさにその通りだが、その判断は難しい。世間の第三者的批評はどうあれ、「厳しい」こと自体がネガティブに評価されるべきではない。

もちろん、こうした議論は宗門が抱える問題の半面を強調するものである。一方で修行は住職資格取得の条件でもあり、寺院後継者確保で乗り越えなければならないハードルという面もある。そちらを重視すると、宗旨の本質にも関わる厳しさの「緩和」という発想に行き着くだろう。

道場入門前の宗侶の減少をもたらした宗門と社会の環境変化は不可逆的で、宗門寺院の維持のためには「緩和」の要請もむげに排除はできないのが現実だ。しかし「厳しさ」の緩和はよくよく選別し、本質をゆがめないよう慎重に行ってほしいものである。

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