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森友学園事件 暗い国家のあり様

2020年4月3日 10時19分

森友学園への国有地払い下げ問題で、財務省の文書の書き換えが行われたのは2017年の2月、その事実が明るみに出たのが18年の3月のことだ。それから数日後に財務省近畿財務局職員の赤木俊夫氏が自殺した。文書改ざんを自ら担い、そのことを潔しとしない気持ちが強く、精神的に苦しみ半年余り休職せざるを得なくなり、自殺に追いやられた。

今年3月、その赤木氏の妻が故人の遺書を公開して、財務省の佐川宣寿・元理財局長と国を提訴した。

そもそも佐川氏が改ざんを指示した理由は、国会での安倍晋三首相の答弁にあるとされてきたが、この遺書はそれを確認するものである。安倍昭恵夫人が国有地取引などに関与したのではないかと追及された首相が、「私は妻が関係しているということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい」と答えたことにあるのも衆目の一致するところだ。佐川氏は首相を守るために、部下に文書改ざんを指示したことになる。

上司が明らかに不正を行うよう命じたとき、部下はそれに背くことはできないのか。赤木氏の遺書は、そのような矛盾の中で苦しみ続けた誠実な一職員が記したもので、多くの人々の心を打つものだ。尊いいのちが失われた。良心の痛みを知る者が、不正を犯すよう強いた者たちの罪を背負ったのだ。赤木氏の夫人はその確かな証人である。

他方、この問題の隠蔽に手を貸しているのは誰か。赤木氏の妻が訴えているのは個人としては佐川元理財局長だが、佐川氏をそのような行為に追いやり、その後、佐川氏をかばってきたのは誰か。その責任を負う者は首相と財務大臣である。

財務省の高級官僚や与党の国会議員は、これらのことを知らないはずはない。彼らはいつまで良心に蓋をし続けるのだろうか。与党を支持する様々な団体もそのことに気付かぬふりをし続けるのだろうか。大臣や官僚がごまかしの答弁をするのを、メディアはそのまま批判することなしに伝え続けるのだろうか。権力に従属して真実を隠すことを正当化する論理があるのだろうか。

弱い立場の公務員を見捨てた、このような国家のあり様は、その暗さにおいて際立ち、民主主義社会の歴史に残る汚点である。多くの国民はそのことを知っている。この歴史は世界的に共有されるものとなるだろう。何よりも神仏がそれを見逃すことはない。

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