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宗教界とテレワーク 対面式の意義の再確認

2020年4月24日 08時53分

3月下旬、今までに見たこともなかったカトリック教会のミサの画像が通信社から配信された。イタリア北部の町ジュッサーノの教会には、100人以上の信者の自撮り写真のみが会衆席に並べられた。神父はそれらの写真に向かってミサを執り行ったのである。

この光景が端的に示すように、新型コロナウイルスの感染の広がりは、世界各地の宗教行事に大きな影響を与えている。中東各国ではモスクで金曜日に行われる集団礼拝を禁止する例が増えている。キリスト教であれ、イスラム教であれ、神への祈りの場が、ウイルスにとっては増殖に都合のいい環境であるということである。

韓国では新天地イエス教会の信者が、韓国の感染者の半数以上を占めることが判明した。3月初めに教祖がカメラ前で土下座して謝罪する事態となった。極めて多数の信者が一堂に会して宗教儀礼を行ったことで、感染が広まったのが明らかになったからだ。

日本では感染拡大を防ぐため、神社や寺院、さらに新宗教教団なども恒例の儀礼を取りやめたり、参拝の中止を求める措置を取ったりする例が増えている。多くの人が触るからと、社殿の鈴に付いている鈴緒を外した神社もある。

大学は入学式をやめ、授業開始も延期となっている。そして次々と遠隔授業の手段を取り始めている。ところが、これもなかなか容易ではない。教員の中にはIT技術に疎い人もいるし、学生とて誰もが新しいテクノロジーを使いこなしているわけではない。さらに通信料金の問題も発生してくる。

社会全般で「STAY HOME」や、テレワークという言葉が合言葉になっているが、それまで対面状況で行ってきたものを切り替えていくのは、そう簡単な話ではない。実は日本は21世紀に入って、近隣諸国に比べるとIT化は明らかに後れを取っているのである。そのツケが回ったようなところもある。

知識を伝達するための情報ならIT化に対応させることはさほど難しくない。大学より小学校で対応法が進んでいたりする。しかしながら宗教活動は知識の伝達が主ではない。むしろ感情面に関わる事柄の持つ比重が非常に大きい。互いに時間と場所とを共有し、一人一人の異なった反応に敏感になることで得られるものがある。

この機会に宗教関係者はもっとIT技術を取り込む工夫をして、その良さと限界とを深く感じてみたらどうだろうか。宗教活動を対面状況で行うことの意義と意味とが、これまでとは違った観点から感じられてくるかもしれない。

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