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コロナとの闘い 不自由に耐える決意を

2020年5月8日 11時13分

ウイルスという語は元来ラテン語で毒液や病原体を意味したが、ウイルスと呼ぶ微小構造体が見つかったのは19世紀末。光学顕微鏡では見えなかったが、電子顕微鏡で直接に観察が可能になった。大きさは普通数十ナノメートル。仮に100ナノメートルとして、これを人間の大きさに引き伸ばすと、人間は地球大になる。

本体はDNAかRNAで、自活できないから動植物の細胞に寄生する。病原性を持つものは宿主を材料とし、その力を利用して自分自身を鋳型とするコピーを作り出す。すると作られたコピーは原物と同じウイルスなのである。つまりウイルスは細胞のように分裂して増殖するのではない。

正確な比喩ではないがあえてSF風に描けば、地球上に侵入してきた異星人が地球人に触れると地球人は異星人に変身してその仲間となる、という具合なのである。こうして増殖したウイルスは宿主細胞を破壊して外に出て、新しい宿主に侵入する。

その起源については、細胞のゲノムの一部が切れて外に出て独立した、などの説があるが、まだ定説はないようだ。ウイルスは遺伝子だから、宿主の生殖細胞のゲノムに潜り込めば世代を超えて遺伝される。実際、こうした場合があるようで、生物に悪影響を及ぼす場合もあり、反対に進化を促進したことも考えられるという。

似たような例としては、単細胞生物が現れた頃、ほかの生物であったミトコンドリアを取り込んで自分自身の一部に変え、そのエネルギーを利用するようになった事実がある。すると生物は、自分とは違うもの、あるいは自分が作り出したものと、敵となり味方となって進化してきたことになる。その変幻自在な相互作用を見ると、つくづく生命とは不思議なものだと思わざるを得ない。

しかし一般にもっぱら他者を利用するだけで何の利益も与えない生物はやはり有害とするべきである。人間の立場からすれば、新型コロナウイルスは一刻も早く駆除しなければならない。しかし相手は目に見えない。闘いの経過も確認し難く、いったんは抑え込んだように見えても、なお敵がどこに潜んでいるか分からない。闘いは短期では終わらないだろう。

市民生活の自由の制限は、戦時中を想起させるところがあるが、相手がウイルスでは仕方あるまい。世界的に見て感染者の増加率はピークを越えたかもしれない。しかし実際に新しい感染者の数が減少してゼロにならなければ安心はできない。当分は我慢と協力が必要だ。

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