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問われる宗門の役割 「コロナ後」の法灯継承

2020年5月22日 13時35分

新型コロナウイルスの病禍拡大で葬儀、法事も3密を避けて縮小、延期され、法話など対面式の教化活動もままならない。一般寺院は、経済的にも厳しい状況を迎えている。

これに対し、包括法人である宗派は宗費などの賦課金の納付期限を延長し、早期納付の奨励金・還付金を受け取れるように配慮するなど、困窮寺院の支援に取り組み、末寺の実態に応じた追加援助策も検討する構えだ。

宗派・教団は信仰・法縁でつながる同信同行の団体であるとともに、経済的共助も含む様々な形での支え合いを行う共益団体の側面もある。巨大災害や今回のコロナ危機のような状況においては、一般寺院からはまず後者の役割が期待されるだろう。

長引くコロナ禍の影響は計り知れない。国民の宗教的行動に大きな変化を及ぼすことになるとすれば、宗派・教団は当面の財政的支援だけでなく、共助・共益の組織としての在り方まで考える必要が出てくるかもしれない。

これと同時に大きな痛手となっているのは、教学面で重要な学院の開講、研修の相次ぐ中止である。本紙の紙面でも、比叡山の行院「春は中止」(5月8日付)、高野山専修学院の「入学生受け入れ断念」(15日付)、本願寺派「安居中止」(同日付)など相次いで苦渋の決断が報じられている。

雲水が長距離の移動をするわけではなく、三黙堂で互いに談笑を禁じられる禅宗の専門道場では、感染防止の万全の対策を講じた上で修行が続けられている所が多いようだ。しかし、宗門後継者育成という目的は同じでも、行院や専修学院は運営システムや日常生活が異なり、全国から履修者らが新たに集まる。高野山の専修学院は地元の和歌山県高野町で新型コロナ感染確認者がゼロという状況下、学院から感染者を出すわけにはいかない、という配慮もあったという。学院関係者の複雑な思いが察せられる。

こうした修行は本質的にオンラインの代替はできない。本願寺派の安居も遠隔授業では意義を半ば失うだろう。一刻も早く新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化し、宗門の伝統的な後継者育成の教育が正常に行えるようになることを願うばかりだ。

ただし、問題は当面のこうした危機を乗り切ることだけでは終わらない。コロナ禍に伴う世界の変化で今が時代を画する大きな転換期になる可能性は高い。IT化が確実に加速される「コロナ後の世界」で、宗門がどのように法灯を継承していくかが問われる。

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