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「弱さ」を見つめる 「孤立化」克服する宗教の力

2020年6月3日 11時02分

東日本大震災から9年が経過する日が近づく頃、新型コロナウイルスの災禍がただならぬものであることがあらわになった。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスのことが毎日のように話題になっていたのは2月前半のことである。

この間に中国から世界各国へ急速に広がり、日本も3月後半頃から感染者数が急増、4月7日には緊急事態宣言が発令された。5月下旬に世界でこのウイルスに感染した人は500万人を、これに起因する病で亡くなった方々は30万人を超えた。高齢者が多いが、医療・介護関係者、また大相撲の勝武士のような若い人も含まれる。

病による死者だけではない。休業や営業自粛で仕事が成り立たなくなった人、解雇された人が多数出ている。世界的にもマイノリティーや貧困層など、弱い立場の人が犠牲になりがちだ。死者の数も経済的な打撃も来年にかけて厳しくなるのではと危惧される。

このような死別の悲しみや生活の危機をもたらす苦難を前にして宗教の役割は何か。宗教は死者や悲しみ苦しむ人のための思いを共にする場を提供してきた。しかし、このたびの新型コロナウイルスは悲しみや苦難を共にし、共に祈る場を持ちにくくしている。

東日本大震災の時には「寄り添い」や「ケア」という言葉がよく用いられた。悲しみ苦しむ人の近くに行き、共に時を過ごし支える活動が活発になされた。ところがこのたびのパンデミックでは、接触接近が感染症を広めてしまう懸念があるため、距離を取ることが求められる。葬儀の場に家族や宗教者も立ち会うことができないといった例も生じている。

これは集いの場を大切にしてきた宗教にとっては打撃だ。主要な宗教活動ができなくなってしまうからだ。代わってオンラインでの説法や、ともに祈る、傾聴するなどの試みも始められている。確かに身体的に距離を保ちながらできる「寄り添い」やケアもある。危機的な状況の下では、これらに力を入れることも重要だ。

宗教者が「寄り添い」に向かう大きな流れは変わらない。社会の個人化が進み、孤立化が生じやすい状況だ。リモートワークやAIの導入はおのずから個人化を強める。これがまた格差の拡大に通じかねない。新たな感染症の流行はこの流れを加速するだろう。だが、弱さこそ人と人を結び付ける力を引き出す。弱さを見捨てる社会は危うい。弱さが隠れてしまう時だからこそ、弱さを見つめ人々の孤立化を克服していく道を求めていくべきだろう。それは宗教の力の再認識にもつながる。

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