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コロナ禍の中で 毅然とした姿を示す

2020年6月17日 10時58分

持続化給付金をコロナ禍で疲弊する宗教団体等に適用する案は、どうやら2020年度第2次補正予算案の閣議決定前に事実上消滅したようだ。国会審議や、世論の本格的な吟味の対象になることはなかったが、もし広い範囲の公の場で論議されていたら、憲法論は別にしても、多くの国民の共感が得られたかどうかは疑問である。

また、宗教団体などに適用する大枠を仮に政府が認めたとして、対象は18万を超える宗教法人だけにとどまるものではない。国家がどこかで特別な足切り基準を設ければ、公認宗教をつくることにもつながりかねない。議論を始めると際限のない泥沼に陥るだろう。

この問題に限らず宗教自体に批判的な人々は、コロナ禍の中での宗教のありように否定的なまなざしを向ける。また宗教に期待するからこそ、その期待に応えてくれないことに失望の声を漏らす。例えば、宗派・教団や宗教団体がコロナ問題に関して社会に向けて発したメッセージについて、心に響く叡智や深い見識はあまり感じられなかった、という一般的な感想はあちこちで聞いた。

批評の是非はともかく、「宗教の言葉」そのものが心に届きにくくなった現実を見つめ、こうした感想にはしっかり耳を傾けつつ、期待を裏切らない毅然とした姿を宗教界は示す必要がある。

ところで、コロナ危機の下、宗門や宗教団体に対して真っ先に期待を込めた視線を向けるのは、それらに包括される一般の寺社、教会などである。本紙12日付記事を見ると、曹洞宗の宗政会派有道会が宗門としての支援の優先順を①一般寺院②大本山③専門僧堂④その他の学校関係等――とする提言を示した。宗門それぞれの歴史的背景や内部事情、宗門校の宗派への財政的依存度などは様々で、②~④は一概には言えない。しかし、対象をこのように四分すれば、期待に応え一般寺院を明確に最優先する判断は正しいだろう。

直近の支援策だけではない。被包括の団体と共に全体の中長期ビジョンに向け、具体的に動きだすはっきりした姿勢を示すことが宗派・教団には求められる。少子・過疎化など悲観的条件を踏まえた将来対策は各宗門・教団で検討されてきたが、コロナ禍によって想定時期は繰り上げられ、いわば「待ったなし」で取り組む必要が立ち上がってきた。

宗派・教団は宗政機能がダウンし、収入低下で経済的に厳しい。だが、危機を乗り越える意識を全体で共有するため、被包括の団体や檀信徒、社会に向けて毅然とした姿勢を今こそ示してほしい。

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