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宗教法人と「公益」 宗教の独自性に立脚して

2020年6月24日 10時00分

宗教法人は宗教法人法に基づき設立される広義の公益法人である。学校法人などほかの特別法に基づく法人と共に、法人税法上は「公益法人等」とされている。認可制の学校法人などとは違い、宗教法人は法律上の設立要件を所轄庁が確認する「認証」を受けて法務局に登記され成立する。もちろん、公益法人認定法の対象外である。

広義の公益法人とされる以上、宗教法人の存在・活動は公益と深い関係を持つ。しかし、公益事業は本来の目的ではない。宗教法人法の第2条が規定するように目的は宗教活動であり、公益事業は別条項(第6条)を立てて「行うことができる」としている。公益性は第6条の活動だけで担保されるものではなく、第2条の宗教活動そのものが公益性を持つ。

2006年に公益法人制度改革関連3法が制定される時、旧民法第34条を法的根拠とする宗教法人の公益性が問題になった。同条は当初、抹消が予定されていた。しかし、日本宗教連盟などの働き掛けが奏功し、改正民法の第33条2項に残されることになった。

同年6月の宗教法学会では、日宗連を代表して自民党と交渉に当たった齋藤明聖氏(同連盟前事務総長=当時)が報告。国会議員から「宗教法人も外から言われる前に、収入の幾分かを公益的事業に割いてはどうか」といった意見が出たと紹介した。さらに齋藤氏は「宗教活動がもつ公益性についての理論構築や宗教団体の公益増進への寄与の具体的実例を明示することが必要」と提言した(本紙06年6月8日付)。

民法第33条2項の問題は、日宗連が「国の立法に関与できた」(同氏)と自負する成果ではあった。一方で「宗教が公益増進に貢献していることの具体例のアピール」を日宗連など関係者が強く意識するきっかけにもなったと思われる。持続化給付金の宗教法人適用問題では「公益法人の中で宗教法人だけが除外されている」といった指摘が、日宗連関係者から聞かれた。公益性証明の課題意識の圏内にある発言だろう。

ただ、上記学会でも、フロアから「宗教法人についてあまりに公益性を強調」することへの危惧が論じられた。「公益ではなく信教の自由の立場」で「宗教法人は枠組み自体が異なる」と主張するよう求める意見もあった。

宗教団体が公共性を深く意識すべきことは当然だが、「公益」の議論に過度にこだわることには懸念を示しておきたい。狭義の公益活動自体が目的化すれば、宗教法人である理由はなくなるだろう。

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