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「震災伝承ロード」 伝える熱意と工夫が重要

2020年6月26日 13時16分

東日本大震災で被災した各地の慰霊施設や当時の記録を伝える施設を紹介した「3・11伝承ロード」というパンフレットがある。青森から福島まで被災4県などが共同で作製。沿岸の75余りの施設をマップ上に示し、それぞれの教訓や復興状況も記され、郷土への思い入れと防災への強い決意が伝わる展示もあって意義深い。震災9年を過ぎても見学者が訪れている。

地域が壊滅した岩手県釜石市鵜住居町にある「うのすまい・トモス」には慰霊モニュメント「釜石祈りのパーク」があり、壁に犠牲者名を刻んだ銘板が並ぶ。この地が、あの日に高齢者ら多くの住民が避難してきたにもかかわらず建物全体が水没して100人以上が亡くなった「防災センター」の跡地であることを考えると感慨は深い。そばには津波被害の実態や防災の在り方などを学習する「いのちをつなぐ未来館」もある。

展示の内容がまだ少なく、「肝心の地域住民が行かない」という面もある一方、慰霊碑の碑文や配布される『未来の命を守るために』という冊子は、外部からの来訪者に訴える。記された「防災市民憲章」は単純明快。「備える 逃げる 戻らない」、そして「語り継ぐ」だ。多くの苦難を経験した上での発信には説得力がある。大事なのはこの呼び掛けを実際に守ることだが、添えられた「3・11を経験した釜石市民より、未来のあなたへ 10のメッセージ」も分かりやすい。例えば「100回逃げて、100回来なくても、101回目も必ず逃げて」と。

同県陸前高田市には「いわて TSUNAMIメモリアル」という伝承館がオープンした。巨大スクリーンの映像やパネル、破壊された消防車の現物展示などで伝承企画は充実しており、斬新なデザインの建物の立派な施設だ。隣接する道の駅には近くにある「奇跡の一本松」関連グッズが山積するが、以前あった追悼施設が行政の管轄の関係で遠くへ移されており、慰霊が薄まるとすれば気掛かりだ。

マップにはないが、印象深い場所もある。宮城県石巻市北上地区にある慰霊施設は石碑とベンチだけで訪れる人もほとんどいない。だが、児童が亡くなった吉浜小の碑には「吾子ら逝く 朝明の海は鎮まりて 七つの命永久に忘れじ」との短歌が。そして地元の個人が寄贈した碑の文は素朴で温かい。「国民が健康で誰とでも仲良く平和に暮らせるように日本国憲法があります。北上町にも皆が健康で幸福に暮らせるよう町民憲章があります。この精神をよく理解してほしいのです」

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