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憲法第89条解釈 宗教界の広い議論が前提だ

2020年7月1日 10時55分

コロナ禍で経済的に疲弊する法人・個人に支給される持続化給付金の対象に宗教団体を加える問題で、政府・自民党などと交渉していた日本宗教連盟がこのほど、その経緯を明らかにした。

内容は本紙6月26日付で紹介した。注目されるのは「実際(宗教団体が対象となっても=本紙注)に宗教法人の中で給付金を請求する法人は少ないと思われる」としている点。宗教法人支援の効果は限られるとの見方を示す一方で、「しかし現在、本件は見送られている。以上」と無念さをにじませて報告は締めくくられている。

実は上記の引用箇所の前後で、宗教団体などへの公金支出禁止を定めた憲法第89条の問題に言及。日宗連の説明で「89条違憲ではない」、むしろ法の下の平等に関する「憲法14条の違憲になる恐れがある」との議論が(政府側で)「なされたようだ」と記している。つまり、89条の解釈変更の手前までいっていたようなのだ。

89条の解釈問題は突然出たのではない。報告書が強調する大災害時の復興支援で、89条を根拠に宗教が除外された事情がある。全日本仏教会顧問弁護士・長谷川正浩氏は宗教法学会の研究報告「休眠宗教法人の問題」で、東日本大震災後の宗教施設復興が「なかなか思うようにはいかない」のは「憲法20条・憲法89条の規定が桎梏になっている」と論じている。

政府の「福島復興再生基本方針」策定に際し、日宗連、全日仏が「宗教についても十分に配慮すべき」との意見を復興庁に示し、復興庁は「宗教施設であるからといって、直ちに国の施策の対象外となるものではない」と回答した。ところが現実には、憲法20条、89条を引き合いに出し「復興政策から外すことが、さも当然の如く行われてきた」と日宗連報告書は糾弾している。持続化給付金の宗教団体適用にこだわったのはこうした背景もあるようだ。

一方で、政教関係自体を大きく修正しようとする動きが自民党などにはある。同党の「日本国憲法改正草案」は20条、89条改正で「社会的儀礼又は習俗的行為」を政教分離から外している。

日宗連などが政府・自民党に働き掛けたのは「解釈」の「是正」だが、それでも政教関係の重要な部分に関わる。阪神・淡路大震災や中越沖地震の復興では、財団法人を通した公金の弾力的な運用で「事実上憲法第89条を回避した」(長谷川弁護士)例もある。政教分離は信教の自由の制度的保障とされる。日宗連が「是正」を訴えるなら、宗教界のより広い範囲の議論と理解を経る必要があった。

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