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中国との宗教間対話 立場の違い超え真の交流を

2020年7月8日 10時09分

米国国務省が「国際信教の自由報告書」を出したことを本紙(6月17日付)で紹介した。中国によるウイグルのイスラム教徒、チベットの仏教徒、法輪功やキリスト教への干渉と弾圧は近年とみに深刻化している。中国政府はこれらの問題に触れられるのを内政干渉だとして非常に警戒している。国際的な宗教間対話の場においても例外ではない。日本の宗教者も、こと中国の問題に対しては留意し、刺激するような発言をできるだけ避けているという話を聞く。

だが、米国はそうでない。つい先日もウイグル人権法を成立させるなど、宗教的迫害に対しては断固たる姿勢で臨んでいる。この点では、大統領も議会も歩調をそろえているようだ。すでに今年2月には大統領の肝いりで「国際宗教自由同盟」が設立されるなど、宗教界の協力を得て中国への圧力を強化しつつある。

この「同盟」は政治色が強く、日本は現時点で参加していない。もしこれに同調した動きを取れば、中国側が態度を硬化させてくることは容易に予想がつく。米中による“力の政治”の綱引きに、日本の宗教者が巻き込まれる愚に陥るべきではない。しかし、だからといって無批判な姿勢のまま、国際セレモニーのような宗教間対話を中国と続けるのも、真の意味の交流にはならないだろう。

互いに教えを褒め合い、仲良く手をつなごうと言うだけでは、対話ではなく対談にすぎない。相互に異なる立場にあり、時に利害関係にあるからこそ、大所高所から知恵を出し合って交渉するのが本来の宗教間対話である。また、それだけのことが求められるのが、各国の信仰的指導者の資質と姿勢であろう。

昨年10月に横浜で開かれたIPCR(宗教平和国際事業団)セミナーでは、香港の民主化デモに日本の一部宗教者が賛同したという理由で、中国が直前に参加をキャンセルしてきた。都合が悪くなると対話そのものを拒否するという強硬姿勢は、中国側の戦術の一つである。しかし、そういうこともあると認識した上で、粘り強く対話の窓を開け続けておくことが大切だ。

政治的な議論とは一線を画しつつ、諸宗教が共有する人道主義の旗印を下ろすことがあってはならない。宗教的人道主義には神仏の叡智が込められているが故に、同じ宗教者同士である以上、必ず琴線に触れる対話が可能である。中国を宗教間対話へと呼び込むには人間の知恵も必要だ。今、日本の宗教者には、まさにこの知恵が求められている。

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